今週も大荒れの相場でした。
理由は景気回復を見込んだ米国債10年利回り上昇によるものです。
コロナウイルスのワクチン普及スピードアップ(先週のJ&Jのワクチン認可)、金曜日に発表された雇用統計の数字も予想を上回る結果だったなどが考えられます。
しかし、金曜日は寄り付きで上げたあとズルズルと下げていましたが、日本時間の1時30分くらいから引けに掛けて上昇していきました。イエレンさんの下記の発言が効いたのでしょうか?
米財務長官「インフレ急進の不安当たらず」-長期金利上昇は回復期待
・・・と、この記事を書いている時に高橋ダンさんの動画がアップロードされていましたので、こちらの動画の理由も確認されるとよいかと思います。
米国のコロナ感染者数は減少トレンドではあるものの、減少ペースは鈍化しています。ワクチン接種も進んでいますし、ここから第4波なんてことはないかと思っていますが、定期的にチェックはしておきましょう。
それではさっそく米国株セクター分析をしていきます。
各種指数・指標の振り返り
米国主要指数パフォーマンス
指数 | 先週終値 | 今週終値 | 先週比 | 年初来 |
---|---|---|---|---|
S&P500指数 | 3811.16 | 3841.95 | 100.8% | 103.8% |
ナスダック100指数 | 12909.44 | 12663.75 | 98.1% | 99.8% |
ダウ平均株価 | 30932.38 | 31496.31 | 101.8% | 104.2% |
ラッセル2000指数 | 2201.051 | 2192.2117 | 99.6% | 112.7% |
ついにナスダック100指数が年初来を割りました
その他関連指標
指標 | 先週終値 | 今週終値 | 先週比 | 年初来 |
---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 106.5 | 108.36 | 101.7% | 105.1% |
米国債10年利回り | 1.419 | 1.566 | 110.4% | 171.5% |
金価格(XAUUSD) | 1734.375 | 1703.12 | 98.2% | 87.7% |
WTI原油価格 | 61.53 | 66.26 | 107.7% | 140.0% |
金価格(その他、コモディティも)の下げが止まりません。金利上昇、ドル高と逆風が吹き荒れています。一方で原油価格は上昇しまくっています。雇用統計が予想を上回り、経済が回りだす見込みであることとOPECプラスで4月まで減産が延長されたが要因です。
米国株セクター分析結果
米国株セクター概要
finviz.comのS&P500Mapを用いてセクターの今週の値動きを把握します。
なんとか金曜日に盛り返してくれたおかげで緑色が目立つマップになりました。しかし、情報技術(半導体)、ヘルスケア、一般消費財あたりは軟調な1週間でした。
米国株セクターETF毎の騰落率サマリ
セクター分析に用いるETF一覧
微妙にfinviz.comのセクター分類と異なる銘柄が存在しています。例えば、ビザとマスターカードが金融ではなく、情報技術に分類されていたりします。
セクター | ETF | 主要構成企業(上位3位+私が気になった銘柄) |
---|---|---|
情報技術 | VGT | AAPL、MSFT、V、MA、NVDA、PYPL、ADBE |
一般消費財 | VCR | AMZN、TSLA、HD、MCD、NKE |
ヘルスケア | VHT | JNJ、UNH、PFE |
生活必需品 | VDC | PG、KO、PEP、WMT、PM |
素材 | VAW | LIN、APD、NEM |
公益 | VPU | NEE、D、DUK |
資本財 | VIS | UNP、HON、UPS |
通信 | VOX | FB、GOOG、GOOGL、VZ |
不動産 | IYR | AMT、PLD、CCI |
金融 | VFH | JPM、BRK-B、BAC |
エネルギー | VDE | XOM、CVX、COP |
セクターETFの株価(終値)と騰落率
各セクターETFの株価(終値)と騰落率は以下のとおりです。
先週比:S&P500指数と先週終値を上回ったセクターは緑色、下回ったセクターは赤色で表示
年初来:S&P500指数と年初終値を上回ったセクターは緑色、下回ったセクターは赤色で表示
セクター | ETF | 先週終値 | 今週終値 | 先週比 | 年初来 |
---|---|---|---|---|---|
情報技術 | VGT | 356.5 | 348.4 | 97.7% | 100.1% |
一般消費財 | VCR | 283.52 | 278.03 | 98.1% | 102.3% |
ヘルスケア | VHT | 224.62 | 222.31 | 99.0% | 99.9% |
生活必需品 | VDC | 165.7 | 169.26 | 102.1% | 98.3% |
素材 | VAW | 160.13 | 164.77 | 102.9% | 105.8% |
公益 | VPU | 128.27 | 131.26 | 102.3% | 98.0% |
資本財 | VIS | 176.27 | 180.74 | 102.5% | 108.8% |
通信 | VOX | 128.46 | 130.52 | 101.6% | 110.3% |
不動産 | IYR | 87.35 | 86.33 | 98.8% | 104.3% |
金融 | VFH | 80.18 | 83.53 | 104.2% | 116.3% |
エネルギー | VDE | 66.65 | 73.45 | 110.2% | 140.9% |
S&P500 | VOO | 349.59 | 352.69 | 100.9% | 104.0% |
セクターETFの株価(終値)の年初来騰落率
1位:エネルギー、2位:金融、3位:通信と変化ありませんでした。生活必需品セクター、公益セクターに加え、ヘルスケアセクターもマイナスに転じました・・・これで情報技術セクターも焼かれたらろじゃじろうの秘密のポートフォリオ5種は崩壊してしまいます(笑)
過去のセクター別の上昇率ランキング
21年3月現在のエネルギーセクターは年初来で40%も上昇しており、今年はどこまで上がり続けるのか楽しみです。
セクターETF毎のチャート分析
日々の値動きを把握するために、Trading Viewを用いてチャートをチェックします。
以下のチャートは全て「日足チャート」です。チャートに100日移動平均線、出来高を重ねています。また、テクニカル指標としてRSIとボリンジャーバンドを合わせて表示。
いつもはMACDを表示させていましたが、どこらへんまで下がっていくのかを把握するためにボリンジャーバンドに変更しました(でも、ボリンジャーバンドを突き抜けていく場面が多々ありましたが・・・)
VOO(S&P500)
先週予想していたとおり、10年利回りは上昇し、サポートライン(緑色)もボリンジャーバンドもブレイクしていきましたが、金曜日終値では上に戻してきました(金曜日にこんなに上昇していくのは想定外でした)。ただし、RSIは黄色の線を抵抗線として下がり続けているため、こちらを週明けに突破できるのかを注目していきたいところです。
下記はサポートラインで下げ止まると思って購入したVOOさん達は最終的にはプラスになってくれているのでよかったです(木金と下げたときは「やっちまったー!」と心の中で叫んだのは秘密ですw)
VGT(情報技術)
100日移動平均線もボリンジャーバンドも突き抜ける大きな下げを見せたVGTでしたが、金曜日はなんとか戻してきました。とはいえ、VOO同様にRSIは黄色の抵抗線を突破できるかが肝になりそうです。焦って買いまくらないように注意しようと思います。VOOほど出来高がそんなに大きくない点も気になります。
下記は過去の株価から抵抗線になりそうなポイントでチマチマと指値をいれていたものが刺さった図です。こちらも金曜終値は上回りましたが、週明けは下げそうな気もしています・・・
334.14ドルにも1口指値を入れていますが、ここまで下げてくるかなぁ
VCR(一般消費財)
ろじゃじろう
こちらも100日移動平均線、ボリンジャーバンドを突き抜け系銘柄でした。このブログで初登場のボリンジャーバンドさん仕事していない(笑)動きとしてはVGTと同様な感じです。
下記は過去の安値を目安に指値を入れていたものが刺さったやつ
VHT(ヘルスケア)
チャートの形状はこれまでの銘柄と同じですが、金曜日の出来高が通常時のレベルだった点が気になります。
下記約定履歴の木曜日のやつはノリで指値入れてしまったやつ(222で猫の日とかアホな事言いながら・・・)、金曜日の方はちゃんと真面目に過去の株価から底値ラインを予想したやつで、底値で拾えたので気持ちよかったです。
VDC(生活必需品)
生活必需品セクターは金曜日に過去6日分の株価を戻してきました。ただし、金曜日の出来高が全然多くない点が気になります。RSIは黄色の抵抗線をブレイクしてきたため上昇に転じそうな気がしているのですが、出来高が伴っていないのが気になる・・・
VAW(素材)
ついにボリンジャーバンドが仕事をしている銘柄が(笑)景気回復局面では素材セクターは強いと言われていますし、あまり下落をせずにこらえています。そして出来高はめちゃくちゃ高いというわけでもありません。
VAWの約定履歴ですが、ちょっと早まったかもしれませんが、これから上昇していくことを見越して買い増ししていきます。
VPU(公益)
下落トレンドかつセクターローテーション上は弱い象限に属している公益セクターは興味が持てないんですよね(笑)RSIは数値的には下落ですが、黄色の抵抗線をブレイクしましたし、来週は上昇に転じていくかもしれません。
VIS(資本財)
資本財セクターもセクターローテーション上は強い銘柄ですし、全然下げていないです。出来高も普通レベルですし、なかなか手が出せません(が、欲しいので170.1ドルで指値入れました)
VOX(通信)
通信セクターはサポートラインで反転しました。Google、FBなど強いですね。なんでサポートラインで指値入れていなかったんだろうという感じですが、セクターローテーションの左下に属しており、RSIも黄色の抵抗線に沿って下がっている点が気になります。
IYR(不動産)
7営業日目にして陽線で引けましたが、100日移動平均、ボリンジャーバンドを突き抜けたあと、引けでは反転してきました。出来高も直近90日では最大をつけました。
VFH(金融)
金融セクターはほとんどボリンジャーバンド、チャネルラインの中で推移してきています。もう少し株価が下がったら投資しようと思って、眺めていたら上げ続けてしまいました(汗)今の分析方法や短期投資でセクターETFを使う方針をやっていれば1月末に投資していたんですけどね
VDE(エネルギー)
エネルギーセクターはチャネルラインから上にブレイクしていきました。毎日一部利確するかどうかを悩んでいたのですが、60ドルくらいまでホールドしようかなと考えています(その後、半分くらい利確かなぁ)。
まとめ
全体的には各セクターともに出来高の多い週でした。
勤務先の株を2月下旬に売却したこともあり、あと500万円程度を再投資しようと考えていますので、押し目があれば積極的に投資していきます(なくても、チマチマと積み立てていきます)。
先週の振り返りでは3月は静観するなんて言っていましたが(笑)
1.9兆ドルの追加景気刺激策が上院でも可決したようで、来週は株式市場に大きな動きがありそうです。
- 景気刺激策により長期金利が上昇(&株価下落?)
- 材料出尽くし感により、長期金利は下落&株価上昇
ということで、「株式比率を最大限に高めて!」とのことです。
「大型インフラプロジェクト」が来ない=クリエネ死亡?ってなれば、エネルギーセクターは一段と上げていく展開になったり?
とはいえ、数日単位の超短期の話でもないため、来週一時的に下げても狼狽しないことが大切です。
【米国株】セクターETFの11種まとめを読んで米国株セクターの理解を深めよう!
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