【VAW・XLB】米国素材セクターETF2種を徹底比較

米国素材セクターETF2種を徹底比較米国株の比較検証

VAWまたはXLBというETFで米国素材セクターに投資することができます。

米国株は11種のセクターに分類されます

情報技術、一般消費財、ヘルスケア、生活必需品、素材、公益、資本財、通信、不動産、金融、エネルギー

ろじゃじろう
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VAWはバンガード社、XLBはステート・ストリート社が取り扱うETFです

この2社が運用する米国素材セクターETFは、構成銘柄やコストなど異なります。これらの違いがパフォーマンスに影響を与えることがあるため、ETFの選定はしっかりとおこないましょう。

今回、VAWとXLBの2種を比較した結果、XLBに投資する方がよいと結論づけました

さっそく、その理由について解説していきます。

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米国素材セクターETF(VAW・XLB)の概要

米国素材セクターとは?

米国素材セクターとは、米国企業の中で、化学、容器・包装、金属・鉱業、建設資材の企業を分類したグループのことです。

ろじゃじろう
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何かをつくるために必要な素材を製造する企業が含まれるセクターです

VAW・XLBの概要をチェックする

2020年11月29日調査時点のものになります。

検証項目VAWXLB
運用会社バンガードステート・ストリート
設定日2004年01月26日1998年12月16日
組入銘柄数11628
純資産総額24.3 億ドル53.0 億ドル
経費率0.10%0.12%
直近配当利回り1.65%1.67%

ステート・ストリート社のXLBの純資産総額はVAWの2倍以上あります。一方のVAWの純資産総額も2500億円以上と非常に大きな規模のETFです。

ろじゃじろう
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楽天証券で投資信託ランキング1位のeMAXISSlim米国株式(S&P500)が2000億円なので、その規模の大きさがおわかりいただけるかと思います

ちなみにバンガード社のETFは経費率が低いことが有名ですが、ステート・ストリート社も対抗して経費率を下げており、大きな差がありませんでした。

直近配当利回りは1.6%台と標準的な水準です。

ベンチマークする指数の違い

特徴VAWXLB
ベンチマークMSCI USインベスタブル・マーケット・素材25/50インデックス素材セレクト・セクター指数
組入銘柄数11628
企業規模大型株、中型株、小型株大型株(S&P500)

ここでは組入銘柄数と企業規模の違いを知っていただければ大丈夫です!

MSCIはモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの略

ろじゃじろう
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全米株式(VTI)とS&P500(VOO)のような関係性です

組入銘柄の重複率

時価総額ベースでの組入銘柄の重複率は80%とほとんど同じです。

etfrc.com調べ

業種比率の違い

2020年11月29日調査時点のものになります。

VAWセクターVAWXLBXLBセクター
特殊化学品28.8%68.9%化学
工業用ガス19.4%
基礎化学品7.4%
肥料・農薬6.3%
総合化学2.1%
紙製品0.5%
林産品0.5%
包装紙8.6%14.4%容器・包装
金属・ガラス容器6.5%
6.6%12.1%金属・鉱業
鉄鋼4.6%
2.8%
アルミ0.7%
各種金属・鉱業0.3%
0.3%
建設資材4.6%4.6%建設資材

VAWは10月31日時点、XLBは11月25日時点のデータと1ヶ月近くずれている影響がありますが、多少の構成業種の違いはあるようです。こんなブログを運営しておいてなんですが、もっと金や鉄鋼、銅などの構成比率が高いものだと思っていました。

ちなみにETF.com調べでは以下の構成比率でした(左:VAW、右:XLB)。
※異なる運用会社間のETFでも、同じセクター分類で比較できるため便利です

ETF.com(VAWとXLBの比較)

構成銘柄の違い

VAWは2020年10月31日、XLBは2020年11月25日時点のデータです。

rankが2つありますが、左はVAW、右はXLBを指しています。

rank保有銘柄シンボルVAWXLBrank
1Linde plcLIN12.7%16.2%1
2Air Products & Chemicals Inc.APD6.7%7.5%2
3Sherwin-Williams Co.SHW6.2%7.3%3
4Newmont Goldcorp Corp.NEM5.5%5.7%5
5Ecolab Inc.ECL5.1%6.6%4
6DuPont de Nemours Inc.DD4.6%4.5%7
7Dow Inc.DOW3.7%4.6%6
8PPG Industries Inc.PPG3.3%4.4%8
9Ball Corp.BLL3.2%4.0%10
10Freeport-McMoRan Inc.FCX2.8%4.3%9
11Corteva Inc.CTVA2.7%3.7%11
12Vulcan Materials Co.VMC2.1%2.4%14
13LyondellBasell Industries NV Class ALYB2.0%2.9%12
14Martin Marietta Materials Inc.MLM1.8%2.2%16
15International Paper Co.IP1.8%2.6%13
16Amcor plcAMCR1.6%2.3%15
17Nucor Corp.NUE1.6%2.1%17
18Celanese Corp. Class ACE1.5%2.0%18
19FMC Corp.FMC1.5%1.9%19
20Crown Holdings Inc.CCK1.3%なし
TOP2071.4%88.9%TOP20

トップ20の順位の差はありつつも、ほとんど構成銘柄は同じでした。構成銘柄数がXLBのほうが少なく、構成銘柄数が28銘柄ということもあり、TOP20に占める比率は9割近くあります。逆にVAWも銘柄数が100を超えているにもかかわらず、上位組込銘柄の比率が高くなっていることがわかります。

現在の株価

VAWとXLBの現在の株価とチャートです。

米国素材セクターETF(VAW・XLB)のパフォーマンス

結局はパフォーマンスが全てということでバックテストをしてみました(過去と未来の結果が同じ保証はないため、バックテストはあくまで参考までに)。

検証ツール

このブログではおなじみのポートフォリオビジュアライザーを用いて、パフォーマンスの比較をします。無料ツールとは思えない機能なので、知らない方は利用してみてください。

検証条件

検証期間:2004年2月〜2020年10月
配当金:再投資

検証結果

過去16年半の結果を見ると、VAWに軍配が上がりました。どちらの銘柄も2018年頃からS&P500を下回るパフォーマンスになっています。チャートを見てみるとわかりますが、S&P500よりも暴落耐性が低いように見えます。

各種産業で製造に使われる素材という性質から、景気の影響を受けやすいセクターであることがわかります。逆に下落局面から景気回復期の上昇幅は大きいようです。

ちなみに年単位で比較するとVAWのほうが暴落率が大きいようです(その反動で翌年の上昇率は大きいです)。直近10年のパフォーマンスはXLBのほうがよいため、これから長期保有目的で投資する場合はXLBのほうがよいかもしれません(個人的には長期保有するというよりは下落局面などでうまく拾っていくような付き合い方がよさそうな気はしています)。

まとめ

今回の検証結果からは経費率は多少高いですが、XLBの方をおすすめしたいです。バンガード派のわたしが初めてステート・ストリートを推しました(笑)

ただし、インデックス投資のような感じで長期保有するような銘柄と言うよりは、大きく暴落して上昇トレンドに入ったところで拾って、利ざやを狙っていくような付き合い方をするのがよい銘柄ではないかなと思っています。

米国素材セクターへの投資は楽天証券SBI証券マネックス証券などで可能です。

ろじゃじろう
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米国株11種のセクターETFのまとめ記事もどうぞ!

ろじゃじろう
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みなさんの投資の一助になれば幸いです

おまけ

ちなみにブラックロック社が運用するiシェアーズ グローバル素材 ETF(MXI)というETFもあります。

投資対象の国は米国、イギリス、日本、オーストラリアなどに分散されていますが、経費率が0.45%と高く、更にパフォーマンスも今回紹介した2種よりも大きく劣っているMXIに投資したいとは思えませんでした。

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