【IYR・XLRE】米国不動産セクターETF2種を徹底比較

米国不動産セクターETF2種を徹底比較米国株の比較検証

IYRまたはXLREというETFで米国不動産セクターに投資することができます。

米国株は11種のセクターに分類されます

情報技術、一般消費財、ヘルスケア、生活必需品、素材、公益、資本財、通不動産、金融、エネルギー

ろじゃじろう
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IYRはブラックロック社、XLREはステート・ストリート社が取り扱うETFです

この2社が運用する米国資本財セクターETFは、構成銘柄やコストなど異なります。これらの違いがパフォーマンスに影響を与えることがあるため、ETFの選定はしっかりとおこないましょう。

今回、IYRとXLREの2種を比較した結果、XLREに投資する方がよいという結論づけました。しかし、投資のスタンスやご自身が想像する未来によって結論は変わりますので、記事を読んでいただいてご判断ください。

さっそく、その理由について解説していきます。

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米国不動産セクターETF(IYR・XLRE)の概要

特に断りがなければ、2020年12月17日時点のデータを利用しています。

米国不動産セクターとは?

米国不動産セクターとは、REIT不動産管理・開発などの米国企業が属するグループです。

ろじゃじろう
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不動産・建築会社ではなくREITを通じて不動産自体に投資するセクターです

IYR・XLREの概要をチェックする

検証項目IYRXLRE
運用会社ブラックロックステート・ストリート
設定日 2000年6月12日2015年10月07日
組入銘柄数8732
純資産総額61.9 億ドル22.2 億ドル
経費率0.42%0.12%
直近配当利回り3.81%3.33%

ブラックロック社のIYRの純資産総額はXLREの3倍近くあります。一方のXLREの純資産総額も2000億円以上と非常に大きな規模のETFです。

ろじゃじろう
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楽天証券で投資信託ランキング1位のeMAXISSlim米国株式(S&P500)が2000億円なので、その規模の大きさがおわかりいただけるかと思います

経費率はIYRの方が0.29%高い点が気になりました。配当利回りを考えれば気にしなくても良いレベルかもしれませんが、配当が減っても経費率が下がるわけでもないため、後述のパフォーマンス検証も合わせて判断したいところです。

配当利回りはどちらも3%を超えており、インカムゲイン狙いの投資に適したETFの一つです。

ベンチマークする指数の違い

特徴IYRXLRE
ベンチマークダウ・ジョーンズ米国不動産指数不動産セレクト・セクター指数
組入銘柄数8732
企業規模大型株、中型株、小型株大型株(S&P500)

組入銘柄の重複率

時価総額ベースでの組入銘柄の重複率は67%です。

IYRとXLREの重複率(時価総額ベース)

etfrc.com調べ

業種比率の違い

IYRセクターIYRXLREXLREセクター
専門不動産投資信託38.46%97.18%REIT
住宅用不動産投資信託13.94%
工業不動産投資信託10.39%
ヘルスケア不動産投資信託9.19%
店舗用不動産投資信託7.89%
オフィス不動産投資信託7.01%
抵当不動産投資信託3.03%
各種不動産投信(REIT)2.76%
ホテル・宿泊施設不動産投資信託0.90%
Research & Consulting Services3.09%
不動産サービス2.61%2.82%不動産管理・開発
不動産開発0.32%
キャッシュ、デリバティブ等0.41%

ブラックロック社の方にはResearch & Consulting Services、キャッシュ、デリバティブ等が含まれている点が異なりますが、それ以外については大きく変わりませんでした。

ブラックロック社のリストを見るとわかりますが、住宅、商業施設、ホテル、オフィスなどのREITに幅広く分散されていることがわかります。

構成銘柄の違い

左端のrankはIYR、右端のrankはXLREを指しています。

rankシンボル保有銘柄IYRXLRErank
1AMTAMERICAN TOWER REIT CORP8.7%12.8%1
2PLDPROLOGIS REIT INC6.5%9.6%2
3CCICROWN CASTLE INTERNATIONAL REIT CO5.8%8.5%3
4EQIXEQUINIX REIT INC4.8%8.2%4
5DLRDIGITAL REALTY TRUST REIT INC3.2%4.7%5
6PSAPUBLIC STORAGE REIT3.1%4.6%6
7CSGPCOSTAR GROUP INC3.1%なし
8SBACSBA COMMUNICATIONS REIT CORP CLASS2.8%3.8%7
9SPGSIMON PROPERTY GROUP REIT INC2.6%3.8%8
10WELLWELLTOWER INC2.5%3.6%9
11WYWEYERHAEUSER REIT2.3%3.4%10
12AVBAVALONBAY COMMUNITIES REIT INC2.1%3.0%11
13CBRECBRE GROUP INC CLASS A1.9%2.8%12
14OREALTY INCOME REIT CORP1.9%2.7%13
15AREALEXANDRIA REAL ESTATE EQUITIES RE1.8%2.7%14
16EQREQUITY RESIDENTIAL REIT1.8%2.7%15
17VTRVENTAS REIT INC1.7%2.5%16
18PEAKHEALTHPEAK PROPERTIES INC1.4%2.1%17
19INVHINVITATION HOMES INC1.4%なし
20ESSESSEX PROPERTY TRUST REIT INC1.4%2.1%18
TOP2060.8%87.4%TOP20

トップ20の順位の差はありつつも、ほとんど構成銘柄は同じでした。構成銘柄数がXLREのほうが少ないこともあり、TOP20に占める比率は9割近くあります。

現在の株価

米国不動産セクターETF(IYR・XLRE)のパフォーマンス

結局はパフォーマンスが全てということでバックテストをしてみました(過去と未来の結果が同じ保証はないため、バックテストはあくまで参考までに)。

検証ツール

このブログではおなじみのポートフォリオビジュアライザーを用いて、パフォーマンスの比較をします。無料ツールとは思えない機能なので、知らない方は利用してみてください。

検証条件

検証期間:2015年11月〜2020年11月
配当金:再投資

検証結果

XLREの方がコロナ時の下落率が低かったこともあり、検証期間においてはXLREに軍配が上がりました。それ以前については一進一退という感じです。

また、IYR、XLREともにS&P500を大きく下回るパフォーマンスでした。

ただし、検証期間が5年と短かっため、IYRとS&P500を20年間で比較すると驚きの結果が!

ろじゃじろう
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なんとS&P500を150%以上もアウトパフォームしていました!

バックテストは検証する期間で結果が大きく変わることがあるため注意しなければいけません(自戒の念も込めて)。過去の結果がよかったから、未来もよくなるとは言い切れません(逆もしかり)。

現時点ではパッとしない不動産セクターですが、コロナで大打撃を受けている今が仕込むタイミングなのかもしれません(まだコロナ前にも戻っていない)。今後、各種不動産の価値がどのようになっていくのか?を考えて、未来に希望を持てるのであれば投資対象になりうるでしょう。

ちなみにリーマンショック、コロナショック時の下落幅はS&P500よりも大きいため、景気に大きく影響を受けるセクターであることがわかります。そんなこともあるため、長期保有前提で考えているわたしとしてはポートフォリオに組み入れたいセクターではないと考えています(短期保有はあり)。

まとめ

IYRとXLREのどちらがよいか、わたしの結論はXLREにしたいと思います。

わたしの投資目標は年間利回り3%を掲げており、大きなリスクを取る必要がないため、ボラタリティの低いXLREの方が向いています。

逆に不動産セクターで少しでも大きなリターンを得たいという人であれば、IYRに投資することもありだと考えます。コロナで大きく影響を受けたREITが回復する余地が大きいため、ここからの値上がりできる幅は大きい可能性があります。

ただし、アフターコロナで不動産の価値が従来から大きく変わる可能性もあるため、ここらへんはしっかりと考えてから投資をしてください。

米国不動産セクターへの投資は楽天証券SBI証券マネックス証券などで可能です。

ろじゃじろう
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米国株11種のセクターETFのまとめ記事もどうぞ!

ろじゃじろう
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みなさんの投資の一助になれば幸いです

米国株の11種のセクターETFについて分析した記事も合わせて読んでみてください。

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