ついにS&P500指数が下落しました。週足で4週連続で上昇していましたし、この調整は想定内です(先週の記事の冒頭で書いていました)
今週最も大きかったニュースはバイデン大統領が進めがっているキャピタルゲイン増税のニュース。長年の格差解消を目指した一連の社会的支出の財源にするのが目的です。こちらは選挙公約でも掲げていましたし、新たなニュースというわけでもないと捉えています。
ウォール街の投資顧問会社の意見が記載されています。
米キャピタルゲイン増税、実現なら今年まず売り-パニックは尚早
わたしとしては成立しないのではないかと思っていますし、このニュースで来週以降下げるのであれば、むしろ買い場なんじゃないかと思っています。
それではさっそく米国株セクター分析をしていきます。
各種指数・指標の振り返り
米国主要指数パフォーマンス
指数 | 先週終値 | 今週終値 | 先週比 | 年初来 |
---|---|---|---|---|
S&P500指数 | 4,185.48 | 4,180.18 | 99.9% | 113.0% |
ナスダック100指数 | 14,041.91 | 13,941.44 | 99.3% | 109.8% |
ダウ平均株価 | 34,200.68 | 34,043.50 | 99.5% | 112.6% |
ラッセル2000指数 | 2,262.67 | 2,271.86 | 100.4% | 116.8% |
今週は3指数下げましたが、週足で見ればほぼ横ばいでした。
その他関連指標
指標 | 先週終値 | 今週終値 | 先週比 | 年初来 |
---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 108.73 | 107.86 | 99.2% | 104.6% |
米国債10年利回り | 1.580 | 1.563 | 98.9% | 171.2% |
金価格(XAUUSD) | 1,776.68 | 1,777.35 | 100.0% | 91.5% |
WTI原油価格 | 63.07 | 62.11 | 98.5% | 131.2% |
ドル円・米国債10年利回りは続落しました。もっとゴールド価格は上がるかと思っていましたが、なかなか1800の壁を超えられずにいます。
100日移動平均線も1800ドル付近にあり、ここをブレイクして、1815を超えれば上昇しそうだなと考えています。
米国株セクター分析結果
米国株セクター概要
finviz.comのS&P500Mapを用いてセクターの今週の値動きを把握します。
今週も半導体セクターの下げが目立ちました。その他、一般消費財やエネルギーセクターあたりが軟調でした。
米国株セクターETF毎の騰落率サマリ
セクター分析に用いるETF一覧
微妙にfinviz.comのセクター分類と異なる銘柄が存在しています。例えば、ビザとマスターカードが金融ではなく、情報技術に分類されていたりします。
セクター | ETF | 主要構成企業(上位3位+私が気になった銘柄) |
---|---|---|
情報技術 | VGT | AAPL、MSFT、V、MA、NVDA、PYPL、ADBE |
一般消費財 | VCR | AMZN、TSLA、HD、MCD、NKE |
ヘルスケア | VHT | JNJ、UNH、PFE |
生活必需品 | VDC | PG、KO、PEP、WMT、PM |
素材 | VAW | LIN、APD、NEM |
公益 | VPU | NEE、D、DUK |
資本財 | VIS | UNP、HON、UPS |
通信 | VOX | FB、GOOG、GOOGL、VZ |
不動産 | IYR | AMT、PLD、CCI |
金融 | VFH | JPM、BRK-B、BAC |
エネルギー | VDE | XOM、CVX、COP |
セクターETFの株価(終値)と騰落率
各セクターETFの株価(終値)と騰落率は以下のとおりです。
セクター | ETF | 先週終値 | 今週終値 | 先週比 | 年初来 |
---|---|---|---|---|---|
情報技術 | VGT | 386.49 | 384.92 | 99.6% | 110.6% |
一般消費財 | VCR | 314.88 | 312.32 | 99.2% | 115.0% |
ヘルスケア | VHT | 237.79 | 241.82 | 101.7% | 108.6% |
生活必需品 | VDC | 182.44 | 181.80 | 99.6% | 105.6% |
素材 | VAW | 180.84 | 181.21 | 100.2% | 116.3% |
公益 | VPU | 147.12 | 145.57 | 98.9% | 108.7% |
資本財 | VIS | 195.06 | 196.09 | 100.5% | 118.0% |
通信 | VOX | 136.62 | 135.93 | 99.5% | 114.8% |
不動産 | IYR | 96.32 | 98.20 | 102.0% | 118.7% |
金融 | VFH | 87.76 | 87.94 | 100.2% | 122.5% |
エネルギー | VDE | 67.07 | 65.81 | 98.1% | 126.2% |
S&P500 | VOO | 383.63 | 383.03 | 99.8% | 113.0% |
セクターETFの株価(終値)の年初来騰落率
1位:エネルギー、2位:金融、3位:不動産とついに資本財が4位に転落。この数週間エネルギーセクターは軟調に推移。今までが異常な感じでした。世界のコロナ感染者数の抑え込みができれば、もっと上がっていくと考えています。
セクターETF毎のチャート分析
日々の値動きを把握するために、Trading Viewを用いてチャートをチェックします。
- 日足チャート
- 100日移動平均線(青い線)
- 出来高(棒グラフ)
- オシレーター指標(RSIとMACD)
- チャネルライン(緑色の線)
- その他(必要に応じて、ETF分析内で説明)
VOO(S&P500)
RSIが先週の75.29から65.37に下がってくれました。月曜日、火曜日の下落は単なる調整だと思います。木曜日がキャピタルゲイン増税の影響かと思いますが、出来高も大きくなく、そんなに大したニュースではないのかなと認識しています。
MACDは微妙に下に抜けましたので、来週以降も緑のサポートラインを目指した調整が続くかもしれません。
VGT(情報技術)
金曜日は上昇で終わりましたが、出来高がかなり少ない点が気になります。バイデンが増税先として考えているのは、富裕層のキャピタルゲインとIT企業などの儲かっている会社の2つがありますし、後者は情報技術セクターにとってはネガティブです。
テクニカル的には週明けにMACDが下抜けするかどうかをチェックしたいところです。
VCR(一般消費財)
ろじゃじろう
MACDが微妙に下にブレイクしました。現時点のチャートでは方向性がよくわからないため、週明けの動きを見たいと思います。下げる場合は300ドルの支持線、上げる場合は340ドル付近で抵抗線にタッチするため、そこでどのように動くのかをみたいです。
VHT(ヘルスケア)
来週には緑色の抵抗線を試す展開です。RSIが高く過熱感が高いこともあり、そろそろ調整が入りそうな気がしていますが、ひとまずは見守る感じです。
VDC(生活必需品)
赤の抵抗線は抵抗線として機能していました。RSI、MACDを見ても方向性がなんとも掴みづらく、来週はヨコヨコの展開になりそうな気がしています。
VAW(素材)
赤の抵抗線が強いですが、VAWも張り付いて推移しています。ブレイクしてくれるのを待つ展開です。
VPU(公益)
先週の上げが強すぎたので今週は一服といった感じです。MACDは下抜けしそうな感じですし、続落した場合は緑の支持線で反発できるのかを見たいところです。
VIS(資本財)
先週に引き続き、ヨコヨコの展開です。方向性が見えるまでは売買しなくてもいいかなという感じです。
VOX(通信)
支持線をブレイクし、その支持線が抵抗線に変わってしまいました。買い増ししたい人は、週明けにこの抵抗線を再度ブレイクできるのかを見極めてからインするのがよさそうです。
IYR(不動産)
コロナ前の最高値が100.75ドルです。まずは直近の目標としては100ドルをブレイクできるかどうかをチェックし、過去最高値を更新できるかどうかです。RSIは76.44とかなり高いため、来週は調整するんじゃないかなと見ていますが、1ヶ月程度は上昇トレンドなのかなと見ています。
VFH(金融)
88ドル付近の抵抗線がなかなか強く、ここが壁となっています。
VDE(エネルギー)
緑の支持線をブレイクし、100日移動平均線を試す展開に。RSI、MACDともに下落シグナルなのに、先週にナンピン買いしてしまっていたのはダメですね。そして、支持線をブレイクしたのに保有し続けてしまっていました・・・
あとがき
今週の投信積立おじさんはセクターETFの売買はしませんでした。
この記事ではバンガード社のセクターETFを利用していましたが、ステート・ストリート社のセクターETFに切り替えるか検討中です。前者は全米株式、後者はS&P500銘柄という違いがあります。後者の方が出来高が多いことを考えるとニーズもあるのかなと。
【米国株】セクターETFの11種まとめを読んで米国株セクターの理解を深めよう!
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