IPO銘柄だけを集めたルネサンスIPOというETFについて、ブログ読者のTowaさんからネタ提供をしていただきました。
こちらこそありがとうございます^ ^
— Towa (@Towa89932221) December 13, 2020
いつも拝見させて頂いてます!
ご存知かも知れませんが、ルネサンスIPOというIPO銘柄を集めたETFが気になっています。
金融庁に届け出がないのでマネックスで取り扱っていませんが、気が向かれた時にネタにして頂ければと思います^ ^
個別株には投資しないポリシーのわたしでも、これならIPO銘柄の恩恵を得られるかも?と興味を持ちましたのでIPO関連のETFや投資信託について調べてみました。
ルネサンスIPOについて調べてみたのですが、日本で買うことができる証券会社を探すことができませんでした。このブログの読者の大半は日本の証券口座を利用されていると考えられるため、仮にパフォーマンスがよくても絵に書いた餅になってしまいます。
そこで日本で購入可能なIPO銘柄を集めたETF・投資信託も含めて調べました。
IPO銘柄ETF・投資信託を調べてみた
ルネサンスIPOを含め、全部で6種類を見つけることができました(もっとあるかも?)。
各ETF・投資信託の特徴を比較
表は右にスクロールしてみてください!
項目 | Renaissance IPO | First Trust US Equity Opportunities | First Trust International IPO | IPOリサーチ・オープン | 世界スタートアップ&イノベーション株式ファンド | 米国IPOニューステージ・ファンド |
---|---|---|---|---|---|---|
種別 | ETF | ETF | ETF | 投資信託 | 投資信託 | 投資信託 |
ティッカー | IPO | FPX | FPXI | – | – | – |
対象国 | 米国 | 米国 | 米国以外 | 日本 | 全世界 | 米国 |
ベンチマーク | Renaissance IPO 指数 | IPOX-100 U.S.指数 | IPOX International 指数 | – | グローバル中小型成長株式ファンド マネープールマザーファンド | 米国IPOニューステージ・マザーファンド |
組入ルール | ・上場後2年以内 ・大型IPOは都度追加 ・通常は四半期毎に見直し ・流動性が高く、成長性が見込まれる | ・上場後6日目以降〜約4年間 ・四半期に一度銘柄の見直し ・1銘柄の組入比率は10%以下 | ・上場後1000日以内のIPO、スピンオフ企業 | ・上場後5年以内or上場予定 ・成長性が見込まれる企業 | ・上場後10年以内(例外あり) ・成長性が見込まれる企業 ・人々の生活を変革する製品・サービス | ・上場後5年以内(上場予定含) ・時価総額が30億米ドル以上 ・成長性が見込まれる企業 |
組入銘柄数 | 47 | 100 | 50 | ? | ? | ? |
純資産 | 7.88億ドル | 20.15億ドル | 6.71億ドル | 19.09億円 | 116.89 億円 | 186.43億円 |
経費率/信託報酬(年率) | 0.60% | 0.58% | 0.70% | 1.8040% | 1.243% | 1.7875% |
販売会社 | 国内はなし? | 楽天証券、 SBI証券など | 国内はなし? | 楽天証券、 SBI証券など | 楽天証券、 SBI証券など | 楽天証券、 SBI証券など |
Renaissance IPO
まずはリクエストを頂いていたルネサンスIPOから行きます!
国別
比較表では米国と記載していますが、中国とカナダが混ざっていますね。これは中国企業とカナダ企業がアメリカで上場しているためです。
構成セクター
6割がテクノロジー企業、2割がヘルスケア企業でした。テクノロジー企業じゃないと「流動性が高く、成長性が見込まれる企業」という条件を満たすのが難しいんだと考えられます。
構成銘柄TOP10
トップ10で6割を占めており、皆さんも聞いたことがある企業が並んでいるのではないでしょうか?
現時点では47社なので、上位2割で6割の構成比率を占める形になっています。
パフォーマンス
2020年3月の13,640ドルが2020年11月には33,391ドルと約2.5倍に伸びています。
コロナショック後の伸び方が尋常じゃない・・・
2020年はIPO当たり年とじっちゃまこと広瀬隆雄さんも言われています。また、このトレンドは2021年も続くと言われていることから、ルネサンスIPOも2021年の成長を期待できるETFかもしれません。
年ごとのパフォーマンスを見ると、2020年が凄い伸びだったことがわかります。S&P500よりもボラタリティが高い銘柄ではありますが、数年ごとに発生している暴落時に仕込むことができれば面白い銘柄かもしれません。
日本の証券会社で取り扱いがないのが残念です。
現在の株価チャート
First Trust US Equity Opportunities
次はルネサンスIPOと似たETFのFPXです。
構成セクター
5割がテクノロジー企業、2割がヘルスケア企業でした。この2セクターの比率が高い点はルネサンスIPOと似ていますが、金融、一般消費財などの比率が高いです。
構成銘柄TOP10
(構成銘柄が100社なので)上位1割の銘柄で全体の4割を占める形になっています。ルネサンスIPOとは構成銘柄TOP10の顔ぶれが半数以上異なりますね。ただ、聞いたことがある企業が多い点は同じです。
パフォーマンス
FPXも2020年3月の37,143ドルが2020年11月には66,629ドルと約1.8倍に伸びています。更に凄い点は検証期間において、S&P500よりもアウトパフォームし続けている点です。
年単位ではS&P500の方がよい年もありますが、FPXは成長率が高い年が多いです。
こちらの銘柄は楽天証券やSBI証券でも取引できるため、米国企業のIPOのETFを買うならFPXがよいでしょう。
現在の株価チャート
First Trust International IPO
国別
前述の通り、米国以外の国が投資対象国です・・・って7位に入っとるやないか!(汗)
アメリカ企業が他の国で上場しているのかな?
構成セクター
FPXIもテクノロジーとヘルスケア企業の比率が高いのは同じですが、FPX以上にセクターが分散されています。
構成銘柄TOP10
わたしが知っている銘柄は4位のシャオミ(小米科技)、8位のソフトバンクくらいでした。ソフトバンクってIPOしてから、かなりの年月が経っている気がするのですが・・・
パフォーマンス
検証期間においてはコロナショック後の上昇で初めてS&P500をアウトパフォームしました。アメリカよりもアンダーパフォームしている点は全世界株式と同じような感じですが、頃なショック後に上回った点はIPO銘柄の力強さを感じますね。
現在の株価チャート
年ごとのパフォーマンスです。検証期間が短いこともありますが、7年中4年がマイナスだったことから、素人がガチホすることが難しい銘柄だなと思いました。
IPOリサーチ・オープン
ここからは日本の投資会社が運用する投資信託です。
構成セクター
組入上位業種 | 比率 |
---|---|
情報・通信業 | 42.6% |
サービス業 | 23.4% |
陸運業 | 6.1% |
小売業 | 4.1% |
医薬品 | 4.0% |
不動産業 | 3.5% |
卸売業 | 2.5% |
機械 | 2.4% |
精密機器 | 1.8% |
化学 | 1.7% |
合計 | 86.0% |
日本においてもテクノロジー企業の比率が高いことは変わらないようです。
構成銘柄TOP10
上記の順位は2020年4月30日時点のものなので、1位の弁護士ドットコムは株価が1.5倍くらいになっていますので、構成比率は高まっているかもしれません。
パフォーマンス
こちらの投資信託もコロナショック後に大きく価格が上昇していますが、純資産総額が設定来時点の3分の1以下に減少しています。
そもそも信託報酬が2%弱とボッタクリ投資信託なので、正直おすすめできません。
世界スタートアップ&イノベーション株式ファンド
国別
国 | 構成比率 |
---|---|
アメリカ | 63.1% |
ドイツ | 7.7% |
スウェーデン | 7.4% |
フランス | 6.5% |
イギリス | 5.3% |
オランダ | 3.7% |
スイス | 2.5% |
オーストラリア | 1.6% |
デンマーク | 1.3% |
台湾 | 1.0% |
全世界株式のような々の構成比率ですね。
構成セクター
業種 | 比率 |
---|---|
ソフトウェア・サービス | 31.7% |
小売 | 12.9% |
消費者サービス | 12.3% |
ヘルスケア機器・サービス | 10.3% |
メディア・娯楽 | 10.1% |
資本財 | 5.9% |
医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス | 3.8% |
食品・飲料・タバコ | 3.6% |
商業・専門サービス | 3.0% |
電気通信サービス | 2.8% |
素材 | 1.3% |
運輸 | 1.1% |
テクノロジー・ハードウェアおよび機器 | 1.0% |
1位がテクノロジー企業であることは同じですが、比率は3割と少なくなっています。
構成銘柄TOP10
銘 柄 | 国 | 構成比率 |
---|---|---|
EVOLUTION GAMING GROUP AB | スウェーデン | 7.4% |
HELLOFRESH SE | ドイツ | 5.2% |
TELADOC HEALTH INC | アメリカ | 4.9% |
TWITTER INC | アメリカ | 3.6% |
SPLUNK INC | アメリカ | 3.6% |
SLACK TECHNOLOGIES INC- CL A | アメリカ | 3.6% |
WORLDLINE SA | フランス | 3.1% |
TWILIO INC. | アメリカ | 2.9% |
LEARNING TECHNOLOGIES GROUP | イギリス | 2.8% |
BANDWIDTH INC-CLASS A | アメリカ | 2.8% |
まさかのTOP1、TOP2がアメリカ以外でした。
パフォーマンス
設定来からの上昇率は約1.9倍です。まだ、2年弱しか運用されていないファンドのため一概には言えませんが、パフォーマンスは悪くなさそうです。
ただし、信託報酬が1.243%と高すぎる点はいただけません・・・もっと、安くしてもらいたいものです。
米国IPOニューステージ・ファンド
最後は三菱UFJ国際投信の米国IPOニューステージ・ファンドです。
構成セクター
情報が公開されておらずわかりませんでしたが、後述する構成銘柄からテクノロジー企業の比率が高いのではないかと類推できます。
構成銘柄TOP10
組入上位銘柄 | 業種 | 比率 |
---|---|---|
PAYPAL HOLDINGS INC | ソフトウェア・サービス | 3.8% |
CROWDSTRIKE HOLDINGS INC – A | ソフトウェア・サービス | 3.3% |
SQUARE INC – A | ソフトウェア・サービス | 3.3% |
ATLASSIAN CORP PLC-CLASS A | ソフトウェア・サービス | 3.3% |
PINTEREST INC- CLASS A | メディア・娯楽 | 3.2% |
LYFT INC-A | 運輸 | 3.2% |
TRANSUNION | 商業・専門サービス | 2.8% |
CARVANA CO | 小売 | 2.8% |
TOPBUILD CORP | 耐久消費財・アパレル | 2.7% |
SHOPIFY INC – CLASS A | ソフトウェア・サービス | 2.7% |
特定の銘柄に大きく偏っていないようです。上位銘柄はわたしでも知っている企業が多く含まれていました。
パフォーマンス
できてから1年ちょっとの新しいファンドのため、パフォーマンスについては解説しづらいですが、コロナショックの底からは3倍近く上げています。これは今回の検証銘柄で最も上昇率が高いです。
また、純資産額は順調に増えているようです。
まとめ
IPOを集めたETF・投資信託について調べてみましたが、各ファンドともに微妙な違いがあって面白かったです。また、日本の会社が運用するファンドは規模も小さく、信託報酬が高いことも再認識できました。
もし、わたしが投資するなら、経費率・信託報酬、パフォーマンスなどを勘案すると、First Trust US Equity Opportunities(FPX)を選びます。ただし、いずれのファンドも経費率・信託報酬が高いため、S&P500指数のように長期投資する銘柄ではないと考えています(過去のパフォーマンスが続く前提なら、経費率は気にならないレベルですが)。
わたし自身は個別株を買わないためわかりませんが、IPOは個別株で買ってジェットコースター相場を楽しむことが醍醐味だったりするのかなって(笑)
みなさんの投資の一助になれば幸いです
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