S&P500とはS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が提供するアメリカの代表的な株価指数です。米国株投資をしている人であれば、誰でも知っている有名な指数ですよね。

S&Pはスタンダード・アンド・プアーズの略で、読み方はエスアンドピーです
つみたてNISAやiDeCoでS&P500指数に連動する投資信託を積立している人も多いですね。投資の神様ウォーレン・バフェットは自分に何かあった際にはS&P500:90%、米国短期債:10%で運用するように伝えたという話があるくらい鉄板の投資先であることがわかります。
そんなS&P500指数ですから、連動するETFは多数あります。そして、S&P500の亜種がたくさん生み出されています。
今回の記事では楽天証券で売買可能なETFを整理してみましたので、投資対象を探す際の参考にしてみてください。
S&P500指数に連動するETF
ティッカー | 銘柄名 | 純資産総額 | 経費率 | T/E ※ |
---|---|---|---|---|
SPY | SPDR S&P 500 ETF | $3,165億 | 0.09% | 0.02% |
IVV | iシェアーズ・コア S&P 500 ETF | $2,342億 | 0.04% | 0.03% |
VOO | バンガード・S&P 500 ETF | $1,778億 | 0.03% | 0.00% |
SPLG | SPDR ポートフォリオ S&P500 ETF | $77億 | 0.03% | 0.05% |

※T/E:Tracking Errorとはベンチマークからの乖離(かいり)のことですが、いずれのETFもベンチマークであるS&P500の値動きに連動させることができています。わたしは純資産総額と経費率の面からVOOに投資しています(楽天証券では購入手数料も無料でお得です)
S&P500指数に連動するETFや投資信託に投資するか迷っている方はS&P500と全米株式と全世界株式のどれに投資するか迷ったらコレを参考にしてみてください。
S&P500指数の亜種ETF
セクターで絞り込んだETF

このブログではおなじみの米国株セクターETFです
ティッカー | 銘柄名 | 純資産総額 |
---|---|---|
XLK | テクノロジー・セレクト・セクターSPDR ファンド | $385.1億 |
XLY | 一般消費財セレクト・セクターSPDR ファンド | $192.9億 |
XLV | ヘルスケア・セレクト・セクターSPDR ファンド | $241.8億 |
XLP | 生活必需品セレクト・セクターSPDR ファンド | $106.2億 |
XLB | 素材セレクト・セクターSPDR ファンド | $63.1億 |
XLU | 公益事業セレクト・セクターSPDR ファンド | $111.1億 |
XLI | 資本財セレクト・セクターSPDR ファンド | $163.2億 |
XLC | コミュニケーション・サービス・セレクト・セクター SPDR ファンド | $125.1億 |
XLRE | 不動産セレクト・セクターSPDR ファンド | $22.7億 |
XLF | 金融セレクト・セクターSPDR ファンド | $322.3億 |
XLE | エネルギー・セレクト・セクターSPDR ファンド | $199.9億 |
ステート・ストリート社が取り扱う米国株セクターETFはS&P500に含まれる銘柄をセクターごとに分解したETFです。経費率は全て0.12%と非常に低く設定されており、長期保有に使い勝手のよいETFです(わたしが投資を始めた時は0.13%でしたが、値下げがされています)。
バンガード社も米国株セクターETFを取り扱っていますが、こちらはS&P500以外の中・小型株も含まれている分、銘柄数が多く、幅広く投資できるETFとなっています(ちなみに経費率は0.10%)。
セクターETFはセクターローテーションやチャネルライン内での投資に適したETFです。詳しく知りたい方は【米国株】セクターETFの11種まとめを参考にしてみてください。
グロース株・バリュー株を抽出したETF

お次は企業の成長ステージで分類されたグロース株とバリュー株です
グロース株 | バリュー株 |
---|---|
企業の売上や利益の成長率が高く、株価の上昇が期待できる株式 | 企業の売上や利益の大きな成長は期待できないが、企業価値に対して株価が割安な株式 |
投資家の人気が高く、注目度も高い | 投資家の人気はあまり高くないことが一般的 |
数年で株価が数倍=数十倍になることも! | 株価の値動き・値幅ともに地味 |
グロース株とバリュー株の違いはなんとなくおわかりいただけたと思います。
上記の説明文を読むと「グロース株のほうがいいじゃん!」って思われる方が多いのではないかと思いますが、2021年2月の執筆時点ではエネルギーセクターや金融セクターといった古くから存在している業種の株価が最も上昇しています。
わたしがこの記事を書こうと思ったキッカケはバリュー株のETFへ投資を検討してのことでした。
該当するETFは下記の4種ありました。
ティッカー | 銘柄名 | 純資産総額 | 経費率 |
---|---|---|---|
SPYG | SPDR ポートフォリオS&P500 グロース株式ETF | $94.4億 | 0.04% |
VOOG | バンガード・S&P500グロースETF | $49.0億 | 0.10% |
SPYV | SPDR ポートフォリオS&P500 バリュー株式ETF | $77.2億 | 0.04% |
VOOV | バンガード・S&P500バリューETF | $16.1億 | 0.10% |
グロースETF(SPYGとVOOG)の比較
構成銘柄(SPYG)

構成銘柄(VOOG)


どちらの銘柄も構成比率や銘柄は同じようです。また、S&P500と比べるとハイテク銘柄の比率が高いですね。
パフォーマンス比較(2010年10月〜2021年2月)


SPYGとVOOGのパフォーマンスはほぼ同じでした。ハイテク銘柄の比率が高いためQQQも比較対象に入れましたが、QQQの方がよいかなと思いました
バリューETF(SPYVとVOOV)の比較
構成銘柄(SPYV)

構成銘柄(VOOV)


バリュー株ETFの方も両ETFのセクター比率や構成銘柄は同じようです。構成銘柄を見ると昔からある企業が名を連ねています
パフォーマンス比較(2010年10月〜2021年2月)


上記検証期間においてはS&P500よりも劣っているため、投資する価値がないようにも思えますが・・・


直近のパフォーマンスはバリュー株の方が優位となっていますが、わたしならセクターETFで成長を期待できるセクターに投資すればいいかなと思ってしまいました
配当に着目したETF
ティッカー | 銘柄名 | 純資産総額 | 経費率 |
---|---|---|---|
SPYD | SPDR ポートフォリオS&P500 高配当株式ETF | $27.5億 | 0.07% |
SDY | SPDR S&P 米国高配当株式 ETF | $180.9億 | 0.35% |
1つ目は高配当株マニアにはおなじみのSPYDです。S&P500銘柄のトップ80の銘柄に年2回組み換えをおこなっています。業績が悪化した結果、配当利回りが高くなっている銘柄が多く、株価の値上がり益を狙うのではなく、配当金目当てで投資するETFです。
SPYDに限った話ではありませんが、高配当株は暴落時に仕込むのがセオリーなので、毎月思考停止で積み立て購入するようなETFではない点に注意してください。
SPYDに興味のある方は高配当ETF SPYDは初心者が気軽に手を出す銘柄ではないも参考にしてみてください。
間違えてSDYを入れてしまいましたが、ついでに説明してしまいます。こちらはS&P500指数ではなく、S&Pコンポジット1500指数の構成銘柄かつ、過去20年以上連続して増配を続けている銘柄が組み入れられています。
詳細は米国連続増配株式ETFのVIGとSDYを徹底比較も参考にしてみてください。
レバレッジ型・インバース型ETF
最後の紹介するのがS&P500に連動するレバレッジ型(ブル)・インバース型(ベア)のETFです。
ティッカー | 銘柄名 | 純資産総額 | 経費率 |
---|---|---|---|
SPXL | Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF | $15.2億 | 0.95% |
SPXS | Direxion デイリー S&P 500 ベア3倍 ETF | $5.3億 | 0.95% |
ブル3倍は1日あたりの値動きがS&P500の3倍、ベア3倍は1日あたりの値動きがS&P500のマイナス3倍に動くETFです。「少ない元金で一気に資産を増やしたい」という方向けのETFです。
個人的には手を出さないほうがよいETFだと思っていますが、SPXLは楽天証券などの米国ETFランキングで上位にランクインしているETFです。その理由がパフォーマンスにあります。
パフォーマンス比較(2008年12月〜2021年2月)


2008年12月から2021年1月末までの年間パフォーマンスは32%と尋常ではありません。しかし、最大下落率は60%とS&P500の3倍です(3倍レバレッジなので当然ですが)
まとめ
S&P500に連動するETFをまとめました。
- S&P500指数に連動するETF → 投資の王道
- S&P500指数の亜種ETF
- セクターで絞り込んだETF → セクターローテーションの波に乗る!
- グロース株・バリュー株を抽出したETF → 中途半端なETF?
- 配当に着目したETF → 高配当&配当貴族大好き!
- レバレッジ型・インバース型ETF → ハイリスク・ハイリターン上等!
普通の投資家であればVOO(もしくはそれに準ずる投資信託)に投資すれば十分ですが、このブログ記事を読まれているような投資すること自体も楽しんでいる人であれば、今回紹介したETFを活用してトレードをすることでS&P500以上のパフォーマンスを目指すのもいいでしょう。

わたしもその口ですw
みなさんの投資の一助になれば幸いです。
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