週次と月次で米国株セクター分析をしていますが、2020年についても振り返りをします。
まずは米国株セクター分析をする前に米国市場に関係する出来事を振り返っていきます。
2020年は一言でいうとコロナ相場でした。コロナ関連の出来事を黄色マーカーで塗りました。
- 1月1月24日、27日でS&P500は2.5%下落(コロナ感染拡大を懸念)
- 2月ダウは2月12日、S&P500は2月19日に史上最高値
そこから3月23日まで大暴落(S&P500は34%) - 3月サーキットブレーカー発動(3月9日、3月12日、3月16日)
3月9日に原油価格が-25%以上暴落(サウジ増産&ロシア減産応じず)
3月15日にFRBが政策金利を1ポイント引き下げる(0〜0.25%)
3月26日に2兆ドルの経済刺激策が通過 - 4月過去11年で最悪の雇用統計(3月に7万人が失職)を発表
GDPがリーマン・ショック後で最大の減少
4月20日にWTI原油先物価格が史上初のマイナスに(-37.63ドル) - 5月5月25日に黒人男性が白人警察官に死亡させられる
- 6月6月11日にパウエル議長の雇用情勢の先行き不安を示し約6%下落
- 7月7月27日にゴールド価格が9年ぶりに史上最高値を更新
- 8月8月18日にS&P500は史上最高値を更新(9月2日まで連日更新)
- 9月9月2日から23日でS&P500は約10%下落(大型ハイテク株の利益確定売り?)
- 10月大統領選の不透明感から13日から30日でS&P500は7.5%下落
- 11月11月9日にファイザーとバイオンテックのワクチン効果を発表
11月17日にモデルナのワクチン効果を発表 - 12月12月3日に英国はファイザーのワクチンを認可
12月11日にFDAはファイザーのワクチンを認可
12月18日にFDAはモデルナのワクチンを認可12月21日にテスラがS&P500に組み入れられる
2020年の出来事の参考情報
Key moments that rocked — and then repaired — the stock market in 2020
わたしのニュース選定もありますが、コロナ関連が半数近く占めました
これらの出来事を頭に入れた状態で、この後の米国株セクターの分析を見ていただけるとチャートや株価の推移などを見る際に役立ちます(自分にも言い聞かせています w)。
各種指数・指標の振り返り
米国主要指数パフォーマンス
最終的には4指数ともに上昇しました。
指数 | 年初終値 | 年末終値 | 騰落率 | 最大値 | 最小値 |
---|---|---|---|---|---|
S&P500指数 | 3,257.85 | 3,756.08 | 115.3% | 3,760.20 | 2,191.86 |
ナスダック100指数 | 8,872.22 | 12,888.28 | 145.3% | 12,925.53 | 6,771.91 |
ダウ平均株価 | 28,868.80 | 30,606.49 | 106.0% | 30,637.47 | 18,213.65 |
ラッセル2000指数 | 1666.7715 | 1974.8554 | 118.5% | 2,026.2380 | 966.2156 |
上昇率はナスダック100>>ラッセル2000>S&P500>ダウとなりました。
ラッセル2000がS&P500をアウトパフォームしているのは意外でしたが、ボラタリティは高いですね
その他関連指標
米国債10年利回りは半減し、株式市場にとってはプラスでした。
関連指標 | 年初終値 | 年末終値 | 騰落率 | 最大値 | 最小値 |
---|---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 108.569 | 103.252 | 95.1% | 112.228 | 101.180 |
米国債10年利回り | 1.88 | 0.918 | 48.8% | 1.948 | 0.360 |
金価格(XAUUSD) | 1529.108 | 1898.391 | 124.2% | 2075.282 | 1451.432 |
WTI原油価格 | 61.14 | 48.18 | 78.8% | 65.62 | -37.63 |
実体経済と株価の乖離は更に大きくなりました
米国株セクター分析結果
米国株セクター概要
finviz.comのS&P500Mapを用いてセクターの2020年の値動きを把握します(2021年1月2日調べ)。
ハイテク関連が大きく上昇しました。またテスラは7倍以上に上昇しています。
一方でエネルギーセクター、銀行、航空関連が大きく下げました。
米国株セクターETF毎の騰落率サマリ
セクター分析に用いるETF一覧
微妙にfinviz.comのセクター分類と異なる銘柄が存在しています。例えば、ビザとマスターカードが金融ではなく、情報技術に分類されていたりします。
セクター | ETF | 主要構成企業(上位3位+私が気になった銘柄) |
---|---|---|
情報技術 | VGT | AAPL、MSFT、V、MA、NVDA、PYPL、ADBE |
一般消費財 | VCR | AMZN、HD、TSLA、MCD、NKE |
ヘルスケア | VHT | JNJ、UNH、PFE |
生活必需品 | VDC | PG、KO、PEP、WMT、PM |
素材 | VAW | LIN、APD、NEM |
公益 | VPU | NEE、D、DUK |
資本財 | VIS | UNP、HON、UPS |
通信 | VOX | FB、GOOG、GOOGL、VZ |
不動産 | IYR | AMT、PLD、CCI |
金融 | VFH | JPM、BRK-B、BAC |
エネルギー | VDE | XOM、CVX、COP |
セクターETFの株価(終値)と騰落率
各セクターETFの株価(終値)と騰落率は以下のとおりです。
年初来:S&P500指数と年初終値を上回ったセクターは緑色、下回ったセクターは赤色で表示
セクター | ETF | 年初終値 | 年末終値 | 年初来 |
---|---|---|---|---|
情報技術 | VGT | 249.34 | 353.79 | 141.9% |
一般消費財 | VCR | 191.73 | 275.18 | 143.5% |
ヘルスケア | VHT | 192.07 | 223.73 | 116.5% |
生活必需品 | VDC | 159.87 | 173.92 | 108.8% |
素材 | VAW | 132.75 | 156.97 | 118.2% |
公益 | VPU | 141.12 | 137.22 | 97.2% |
資本財 | VIS | 156.4 | 169.99 | 108.7% |
通信 | VOX | 95.02 | 120.2 | 126.5% |
不動産 | IYR | 92.05 | 85.65 | 93.0% |
金融 | VFH | 76.93 | 72.85 | 94.7% |
エネルギー | VDE | 82.19 | 51.86 | 63.1% |
S&P500 | VOO | 298.42 | 343.69 | 115.2% |
セクターETF毎のチャート分析
日々の値動きを把握するために、Trading Viewを用いてチャートをチェックします。
以下のチャートは全て「日足チャート」です。チャートに100日移動平均線、出来高を重ねています。また、テクニカル指標としてMACDとRSIも合わせて表示。
VOO(S&P500)
1年間で見ると現在株価は過熱感なし
VGT(情報技術)
9月上旬、10月末の下げは大きかったですが、1年で見ると高成長でした
VCR(一般消費財)
2020年最も上昇したセクターですが、動きは大きく変わりませんでした
VHT(ヘルスケア)
ワクチンから次の話題をつくって欲しいところ(予防医療やバイオ関連)
VDC(生活必需品)
今年はS&P500をアンダーパフォームしましたが暴落耐性を発揮しました
VAW(素材)
ゴールドやシルバー価格上昇の影響は限定的(セクターに占める割合は1割程度)
VPU(公益)
バイデン当選で公益は上がり、ハイテク下がるとの見方もありましたが、真逆の結果に
VIS(資本財)
実体経済の活動再開タイミングの影響からか戻りは遅かったものの、コロナ前の水準を超えてきました
VOX(通信)
情報技術同様、コロナの引きこもりの影響を受けづらいセクターですね
IYR(不動産)
在宅で商業施設の価値が暴落、アフターコロナでも元の需要には戻らない?
VFH(金融)
個人的には金融セクターはガチホするより短期狙いで使いたい感じ
VDE(エネルギー)
大きく戻してきたものの、コロナ前水準まで約40%もあるため、どこかでインしたいところ
まとめ
米国株投資をはじめて1年も経っていないわたしですが、スタート時点に比べればかなり成長できました。
チャートだけ見ていても新たに出てきたニュースに対応することはできないものの(それはポートフォリオでリスクを減らす工夫をする)、ちゃんと勉強しないといけないなと実感させられました。
例えば、RSIが20〜30を下回ると売られすぎ、70〜80を上回ると買われすぎと言われたりしますが、ダマシもあるためMACDや移動平均線なども併用し、トレンドを読めるようにならないといけないなと。
年末に購入した書籍、マーケットのテクニカル分析で勉強します。
【米国株】セクターETFの11種まとめを読んで米国株セクターの理解を深めよう!
2020年ろじゃじろうの振り返り
わたしは2020年2月28日に米国市場への投資をスタートしました。
その後、3月は在宅勤務でお金を使わなくなりました。そのお金を投資信託を通じて1000円〜2000円ずつ手動で毎日投資していました(笑)今思うと100倍くらいの規模感で投資していればよかったですが、この経験を通じてリスク許容度を徐々に高めていくことができました。
その後、YouTubeやTwitterなどから米国株の情報を得ていき、高配当株への興味が湧いてきました。
そこでベタベタな3種の高配当ETFに出会いました。
その後、わたしの投資方針的には高配当株じゃないなって考えが変わり、売却しようと考えていたら大きく下げてしまいました・・・なんとか含み損を耐え、11月9日のワクチン発表日の高値圏で全部売却し、プラスで手仕舞うことができました。
また、自身の長期的なポートフォリオとして、対S&P500でヘルスケアセクター、生活必需品セクター、情報技術セクターの比率を高めたロジャーズ次郎の秘密のポートフォリオを考えました。
そんなこんなで無事に2020年の取引をプラスで終えることができました。
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