VGTまたはXLKというETFで米国情報技術セクターに投資することができます。
VGTはバンガード社、XLKはステート・ストリート社が取り扱うETFです
この2社が運用する米国情報技術セクターETFは、構成銘柄やコストなど異なります。これらの違いがパフォーマンスに影響を与えることがあるため、ETFの選定はしっかりとおこないましょう。
ちなみにわたしは米国ETFの10%を米国情報セクターETFに投資しています(情報技術ではありませんが、ナスダック100指数連動ETFのQQQにも10%投資)。これは過去の記事(ロジャーズ次郎の秘密のポートフォリオ5種)でも紹介しています。
それにも関わらず、VGT・XLKのどちらがよいかを比較をしていませんでした(汗)
検証した結果、VGTに投資し続けるということで変わりませんでした。
さっそく、その理由について解説していきます。
米国情報技術セクターETF(VGT・XLK)の概要
米国情報技術セクターとは?
米国情報技術セクターとは、米国企業の中で、コンピュータ・周辺機器、ソフトウェア、半導体・半導体製造装置、情報技術サービスなどの企業を分類したグループのことです。
コロナ禍の影響を受けづらく、成長が著しいセクターの一つです
VGT・XLKの概要をチェックする
2020年11月23日調査時点のものになります。
検証項目 | VGT | XLK |
---|---|---|
運用会社 | バンガード | ステート・ストリート |
設定日 | 2004年01月26日 | 1998年12月16日 |
組入銘柄数 | 330 | 73 |
純資産総額 | 396.4 億ドル | 357.8 億ドル |
経費率 | 0.10% | 0.12% |
直近配当利回り | 0.87% | 0.82% |
どちらの純資産総額も3兆円を超える非常に大きな規模のETFです。やはり情報技術セクターは人気があります。
楽天証券で投資信託ランキング1位のeMAXISSlim米国株式(S&P500)が2000億円なので、その規模の大きさがおわかりいただけるかと思います
ちなみにバンガード社のETFは経費率が低いことが有名ですが、ステート・ストリート社も対抗して経費率を下げており、大きな差がありませんでした。
直近配当利回りは1%未満と多くありませんが、グロース株を多く含む情報技術セクターは配当金ではなく、株価上昇で株主に還元する感じですね。
ベンチマークする指数の違い
特徴 | VGT | XLK |
---|---|---|
ベンチマーク | MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックス | テクノロジー・セレクト・セクター指数 |
組入銘柄数 | 330 | 73 |
企業規模 | 大型株、中型株、小型株 | 大型株(S&P500) |
ここでは組入銘柄数と企業規模の違いを知っていただければ大丈夫です!
全米株式(VTI)とS&P500(VOO)のような関係性です
組入銘柄の重複率
時価総額ベースでの組入銘柄の重複率は82%とほとんど同じです。
業種比率の違い
VGT業種 | VGT | XLK | XLK業種 |
---|---|---|---|
テクノロジー ハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器 | 22.7% | 24.4% | コンピュータ・周辺機器 |
システム・ソフトウェア | 20.6% | 31.9% | ソフトウェア |
アプリケーション・ソフトウェア | 14.0% | ||
半導体 | 15.5% | 18.7% | 半導体・半導体製造装置 |
半導体装置 | 2.4% | ||
情報処理・外注サービス | 13.5% | 19.8% | 情報技術サービス |
情報技術コンサルティング・その他のサービス | 4.1% | ||
Internet Services & Infrastructure | 1.5% | ||
通信機器 | 2.7% | 2.9% | 通信機器 |
電子装置・機器 | 1.0% | 2.2% | 電子装置・機器・部品 |
電子部品 | 0.9% | ||
電子製品製造サービス | 0.7% | ||
テクノロジー ディストリビュータ | 0.4% |
多少の違いはありますが、業種比率に大きな違いはありません。
構成銘柄の違い
左端のrankはVGT、右端のrankはXLKを指しています。
VGTは2020年10月31日、XLKは2020年11月19日時点のデータです。
rank | 保有銘柄 | シンボル | VGT | XLK | rank |
---|---|---|---|---|---|
1 | Apple Inc. | AAPL | 21.5% | 23.4% | 1 |
2 | Microsoft Corp. | MSFT | 16.7% | 19.7% | 2 |
3 | NVIDIA Corp. | NVDA | 3.5% | 4.1% | 4 |
4 | Visa Inc. Class A | V | 3.3% | 4.3% | 3 |
5 | Mastercard Inc. Class A | MA | 2.9% | 3.6% | 5 |
6 | Adobe Inc. | ADBE | 2.5% | 2.7% | 8 |
7 | salesforce.com Inc. | CRM | 2.4% | 3.0% | 6 |
8 | PayPal Holdings Inc. | PYPL | 2.4% | 2.7% | 7 |
9 | Intel Corp. | INTC | 2.1% | 2.4% | 9 |
10 | Cisco Systems Inc. | CSCO | 1.7% | 2.1% | 10 |
11 | Broadcom Inc. | AVGO | 1.6% | 1.9% | 13 |
12 | QUALCOMM Inc. | QCOM | 1.6% | 2.0% | 11 |
13 | Accenture plc Class A | ACN | 1.6% | 1.9% | 12 |
14 | Texas Instruments Inc. | TXN | 1.5% | 1.8% | 14 |
15 | Oracle Corp. | ORCL | 1.3% | 1.3% | 15 |
16 | International Business Machines Corp. | IBM | 1.1% | 1.3% | 16 |
17 | ServiceNow Inc. | NOW | 1.1% | 1.2% | 18 |
18 | Advanced Micro Devices Inc. | AMD | 1.0% | 1.2% | 17 |
19 | Intuit Inc. | INTU | 0.9% | 1.2% | 19 |
20 | Fidelity National Information Services Inc. | FIS | 0.9% | 1.1% | 20 |
TOP20 | – | – | 71.6% | 83.0% | TOP20 |
トップ20の順位の差はありつつも、ほとんど構成銘柄は同じでした。構成銘柄数がXLKのほうが少ないこともあり、TOP20に占める比率は8割を超えています。逆にVGTも銘柄数が300を超えているにもかかわらず、上位組込銘柄の比率が高くなっていることがわかります。
現在の株価
VGTとXLKの現在の株価とチャートです。
米国情報技術セクターETF(VGT・XLK)のパフォーマンス
結局はパフォーマンスが全てということでバックテストをしてみました(過去と未来の結果が同じ保証はないため、バックテストはあくまで参考までに)。
検証ツール
このブログではおなじみのポートフォリオビジュアライザーを用いて、パフォーマンスの比較をします。無料ツールとは思えない機能なので、知らない方は利用してみてください。
検証条件
検証期間:2004年2月〜2020年10月
配当金:再投資
検証結果
過去16年半の結果を見ると、どちらの銘柄もS&P500を上回るパフォーマンスでしたが、VGTに軍配が上がりました(ほとんど変わりませんが)。
ちなみに年単位で比較してもVGTのほうがパフォーマンスのよい年の数が多いですが、大きなな差は見られませんでした。
まとめ
VGTのほうがパフォーマンスが高かったのでホッとしています(笑)
ただし、XLKに負けている年もあることから、一概にVGTがよいと言い切れませんでした。
わたしはバンガード社が好きなこともありますので、冷静な判断ができるようにETF選定をしなければいけないと感じました。大型株だけに投資をしたいという人であればXLKも投資候補に入ると思います。
米国情報技術セクターへの投資は楽天証券、SBI証券、マネックス証券などで可能です。
米国株11種のセクターETFのまとめ記事もどうぞ!
みなさんの投資の一助になれば幸いです
おまけ
ちなみにブラックロック社が運用するグローバル・テクノロジー(IXN)というETFもあります。
投資対象の国は米国、台湾、韓国、日本、オランダ、ドイツ、カナダ、フランスなどに分散されていますが80%が米国ですし、わざわざ経費率が0.46%と高く、更にパフォーマンスも今回紹介した2種よりも劣っているIXNに投資したいとは思えませんでした。
気になる点としては中国がテクノロジー分野で伸ばしてくることが考えられる点ですが(現在も伸ばしていますが)、それを考慮するなら全世界株式に投資することでカバーすればよいかなという考えです。
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