保険を見直すときは、保険料や解約返戻金だけでなく、公的保障、勤務先の保障、預貯金、家族に必要な生活費を先に確認します。会社員等には高額療養費や傷病手当金があり、死亡時には条件を満たす遺族へ遺族年金が支給される場合があります。ただし、対象者・金額・期間は加入制度や家族構成で異なります。民間保険の必要額を公的保障と貯蓄から計算する手順で、不足額の出し方を整理しています。
現在の公的保障は、協会けんぽの「高額療養費・傷病手当金」と、日本年金機構の「遺族厚生年金」などで確認してください。
契約者向けの手続きは、契約内容によって異なります。ソニー生命の解約案内で必要書類や受付方法を確認し、保険証券・契約者向け資料の内容と照合してください。
解約だけでなく、保障額の減額や払済保険など別の扱いが選べる場合もあります。利用できる選択肢、解約返戻金、積立利率などは契約ごとに違うため、ご契約のしおり・約款と契約者向けの案内を先に確認します。
支出を見直す目的が毎月の入金力なら、保険だけを急いで解約せず、通信費や使っていないサービスを含めて固定費の見直し順も並べて比較してください。
保険を解約する前に確認したいこと
- 死亡・医療・就業不能のうち、家計で吸収できない損失は何か
- 公的保障と勤務先保障を差し引いた必要保障額
- 現在の解約返戻金と、今後支払う保険料の総額
- 解約控除、市場価格調整、為替など契約固有の条件
- 新しい保障が必要なら、契約成立後に旧契約を解約する順序
- 健康状態により、解約後は同等の保険へ入り直せない可能性
生命保険料控除で税負担が軽くなる場合でも、支払った保険料そのものが戻るわけではありません。また、解約返戻金は商品・契約年齢・経過年数で異なるため、私の金額を他の契約へ当てはめないでください。
10年間加入していたソニー生命の積立型保険を解約しました。
解約した背景は
- 保険加入時のライフプラン・シミュレーションと乖離が発生(いい意味で)
- 私の家計では保障と資産運用を分ける方が合っていた
という2つの理由になります。
この保険がダメだったというわけではなく、自身にとっての最適解が変わったことが理由になります。
それでは保険に加入から解約後までの話をしていきます。
積立型保険に加入した背景から解約するに至るまでの過程
積立型保険に加入した理由は?
元々、積立型保険に入った背景は、仕事が忙しすぎてお金だけ貯まっていっていたのですが、銀行口座に入れているだけではもったいない。でも、元本割れする可能性のある株式投資は怖い(むかし、ライブドアショックで退場させられたこともあり)。そこで、当時の私は「預金より増え、株式より値動きが小さい」と考えた積立型保険に加入しました。
また、子供をつくる予定もあったため、今まで入っていた保険だけでは足りないと考えました。
ちなみに加入していた保険はこんな内容です。
| 保険種類 | 積立利率変動型終身保険 |
| 保障内容 | 2000万円(死亡時) |
| 保険期間 | 終身 |
| 払込期間 | 60歳まで |
| 保険料 | 37,960円 |
積立型保険を解約した理由は?
2020年、株式投資を再開し、動画なども参考にしながら保障と資産運用を分ける考え方を知りました。当時の私にはこの方法が合うと考えましたが、相場の下落や回復を確実に予測できたわけではありません。
この10年間で私はある程度の資産を築くことができており、仮に死んでしまったとしても家族が困らない状態はつくれていました。つまり、保険に過剰投資していたということです。
この状態をつくれた大きな理由は以下のとおりです。
- 保険加入時の試算よりも収入が大きく増えた(約1.5倍)
- 支出は増やしていない(生活水準は維持)
- 勤務先の株価の上昇
「どう考えても解約したほうがよい」と、頭で理解していたものの、半年以上も解約できませんでした。私自身、持病の関係で保険に加入することができないことがあります。
しかし、株式への入金力を高めるために決断をしました。
家計簿で無駄を確認すると「所得の割に入金力が低い」ことに気が付きました。
そして、入金力を高める上で優先順位の高い削減項目が積立型保険だったのです。
積立型保険の収支はどうだったのか?
保険に加入したのは2010年10月1日だったようで、ちょうど10年間です。
今回解約することになりましたが、積立型保険の収支は以下のようになりました。
| 支払総額 | 4,512,000円 |
| 解約返戻金 | 4,115,982円 |
| 差し引き | -396,018円 |
返戻金の差額と、保障を受けた価値は分けて考える
支払総額と解約返戻金の差は396,018円でした。一方で、この10年間は死亡保障もありました。返戻金だけを見て商品全体の良し悪しを決めることも、保障があったから差額を無視することもできません。
生命保険料控除は、支払保険料の全額が戻る仕組みではなく、条件に応じた所得控除です。私が過去に受けた税負担の軽減額をここでは集計していないため、差額を相殺できたとは判断しません。制度の説明は国税庁の生命保険料控除を参照してください。
投資で早く取り戻せるとは限らない
当時は、保険を続けて返戻金が払込額を上回るのを待つより、投資信託で運用したいと考えました。これは私がリスクを引き受けて選んだ方針であり、解約の損失を投資で必ず回収できるという意味ではありません。
当時の試算では年率3%を仮定していましたが、この数字は予測でも保証でもありません。実際の運用では値下がりや元本割れがあり、必要な時期までに回復しない可能性もあります。金融庁の資産形成の基本でも、運用商品の元本割れリスクが説明されています。
比較するなら、今後必要な保障、残りの保険料、契約上の返戻金の見込み、投資に回せる期間、税・費用を分けて確認します。投資の試算も一つのプラス利回りだけでなく、増えない場合や値下がりした場合に生活資金が足りるかを考える必要があります。解約しない、減額する、条件が合えば払済にするという選択もあります。
私の場合は、家族に必要な保障と保有資産を見直したうえで判断しました。持病などによって新しい保険へ入り直せない場合もあるため、運用収益への期待だけを理由に解約しないことが大切です。
ソニー生命のサポートセンターとの解約のやり取り
私が2020年に解約した際は、サポートセンターに連絡しました。以下は当時の体験であり、現在の受付方法や必要日数を保証するものではありません。最新の手続きは冒頭の公式案内で確認してください。
私はサポートセンターに連絡をする方法を選びましたが、非常に丁寧な対応で、無理やり解約を阻止するようなこともされませんでした。こういった対応をされると保険に入る際にはソニー生命を人にオススメしたくなりますね。
10年前に保険に加入したときの営業マンの方の対応も良かったです。営業の方が我々夫婦にとって必要な保障と不要な保障を真剣に考えて提案してくれました(6時間くらい話し合いをしました)。そのおかげで我々は納得した上で気持ちよく加入することができました。
さて、話を戻しますが、サポートセンターとのやり取りの流れは以下のとおりです。
- サポートセンターに電話
- ガイダンスに従って解約を選択
- サポートセンターの方から本人確認のための情報を聞かれる
- 解約理由を聞かれる
- 新規積み立てをストップして、これまでの掛け金で保障を受ける方法もあると提案
※全然、ゴリ押し感ナシ(好感度高い) - 解約書類の送付先、解約返戻金の振込先を確認されて終了
- 2日後に解約書類が到着、当日に返送
- 2営業日後に解約が受領される
もし、周囲に保険を検討している人がいれば、ソニー生命をおすすめすると思います。
解約した後に積み立てを開始した投資信託
元々、積立型保険に支払っていた37,960円/月を投資信託で積立することにしました。
当時、積立先として選んだ投資信託は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」にしました。元々、積立していた資金ですし、長期で老後まで保有し続けられる銘柄を考えるとコレになりました。
解約返戻金については、2020年当時、当面は現金で保有することを考えていました。これは当時の方針で、現在の保有状況や今からの売買を勧める説明ではありません。
まとめ
積立型保険の解約は、現在の保障、解約返戻金、新しい保険の引受条件を確認せずに進めると不利になることがあります。自分だけで比較できず無料相談を使う場合は、先に無料FP・保険相談の収益源と利益相反を確認し、提案をその場で契約せず持ち帰って比較してください。
今回は私の積立型保険を解約する実体験をまとめました。
くれぐれも勘違いしてほしくないのですが、私はすべての人が積立型保険を解約すべきだとは思っていません。ネット上では積立型保険は悪だという風潮がありますが、安心を買うためのお金であるはずなのに、それを投資に回すことで資産の変動が気になって不安になってしまっては本末転倒です。
リスクを取れる人でも、家族に必要な保障や近く使うお金が不足するなら、同じ判断が適切とは限りません。保障の必要性と投資できる余裕は、それぞれ確認してください。
私の選択が、すべての人にとっての正解ではありません。ネット上の情報に流されて自分の資産形成の軸がブレないようにしましょう。
みなさんの資産形成の方向性を考える際の一助になれば幸いです。
保険を見直す際は、商品だけでなく公的保障と家計全体を確認する必要があります。基礎を体系的に学ぶ方法は「FP3級の独学勉強法」にまとめています。
保険を見直した後の資産形成
解約後は、保障を減らした事実だけでなく、浮いた月3万7,960円を投資へ回す流れまで管理しました。現在までの残高と保有口数も公開しています。



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