米国株で含み損がある人は必見!年内に損出しで節税を検討しよう

年内に損出しして節税を検討しよう資産形成の考え方

今年も残り3週間を切りました。

株式投資をしている人は12月に「損出し」を検討しましょう。

この記事の対象者は以下の3つに該当する人です

  • 株式投資をしている(米国株、日本株など問わず)
  • 特定口座または一般口座で売却益がある
  • 特定口座または一般口座で含み損がある銘柄を抱えている
ろじゃじろう
ろじゃじろう

一般NISAつみたてNISAiDeCoでしか株式投資をしていない場合は、損出しを気にする必要はありません。

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損出しについて解説

損出しとは?

損だしとは「①含み損がある銘柄Aを売却して損失を確定させ、②売却後に銘柄A買い戻すこと」です。この作業をすることで本来支払うはずだった売却益に掛かる税金を節税することができます。

①だけの場合は損切りですが、②とセットになると損だしになります。

損出しのメリットとデメリット

メリット

  • 売却益に掛かる税金を節税できる
  • 利益と損失の合計がマイナスの時は損失を3年繰越できる(要・確定申告

デメリット

  • 売却時と購入時の取引手数料が発生する
  • 買い戻す間に売却時よりも株価が上昇するとマイナスになる可能性もある

売却益と含み損が大きいほど大きな節税効果を得られますが、どちらも小さい場合はあまり気にしなくてもよいでしょう。

損出しのやり方

証券口座を1つだけ持っている人向けのやり方を説明していきます。

流れ(既に売却益がある状態)
  • 売却当日
    含み損のある銘柄Aを売却する

    ここまでは損切り

  • 翌営業日以降
    売却した銘柄Aを買い戻す

    これで損だし

これは翌営業日

  • 2020年12月10日(木) 23時45分に売却
  • 2020年12月11日(金) 23時30分に買い戻し

これは同一営業日

  • 2020年12月10日(木) 23時45分に売却
  • 2020年12月11日(金) 4時30分に買い戻し
ろじゃじろう
ろじゃじろう

米国株の取引時間は日本時間23時30分〜翌6時(サマータイムは22時30分〜翌5時)ですが、営業日はアメリカ時間で考えてください

ちなみに利益と損失を相殺することを「損益通算(そんえきつうさん)」と言います。損益通算は米国株同士だけではなく、米国株と日本株や米国株と中国株などでも可能です。そして、損益通算は損切りでもおこなえます。

株式を購入したときのシナリオが変わった場合は損切り、引き続き保有し続けたい場合は損だしというような使い分けです。

ろじゃじろう
ろじゃじろう

損だしは保有し続けたい銘柄で使う手法です

損出しの具体例

売却益100万円、含み損50万円の銘柄Aの場合

売却益が100万円ある場合は、利益に対して約20%(約20万円)を税金として支払う必要があります。

ここで含み損50万円の銘柄を売却すれば、売却益を50万円に下げることができますので、支払う税金を約10万円に減らすことができます。

そして、売却した翌営業日以降に銘柄Aを買い戻せば作業完了です。

損出ししない場合損出しする場合
売却益100万円100万円
含み損-50万円0万円
売却損0万円-50万円
確定利益100万円50万円
税金20万円10万円

ちなみに複数の証券口座を持っている人は同日に損だし作業を完了させることもできます。

証券口座Aで売却して、証券口座Bで購入するという方法です(確定申告が必要)。

売却益10万円、含み損50万円の銘柄Aの場合

売却益が100万円ある場合は、利益に対して約20%(約2万円)を税金として支払う必要があります。

ここで含み損50万円の銘柄を売却すれば、売却益を-40万円に下げることができますので、税金は支払う必要がありません(含み損50万円分全てを売却する必要ありませんが)。

この場合、損益通算が-40万円になりますが、確定申告することで損失分を3年間繰越することができますので、面倒くさいとか言わずにやりましょう!

そして、売却した翌営業日以降に銘柄Aを買い戻せば作業完了です。

損出ししない場合損出しする場合
売却益10万円10万円
含み損-50万円0万円
売却損0万円-50万円
確定利益10万円-40万円
税金2万円0万円

税率や確定申告の詳しい説明の解説
株取引で損失が出た場合は確定申告でトクをする(外部サイト)

損出しの注意点

受渡日が翌年にならないように注意

損出しを年末ギリギリに行った場合、株式の受渡日が翌年になってしまいます。そうすると今年の損益通算として扱われないため、節税することができなくなってしまいます。

わたしが楽天証券で米国ETFを売買した場合は、受け渡し完了までに2〜3営業日掛かっていますので、12月最終週に損出しの作業は行わない方がよいでしょう(年末の営業日次第ですから、安全に行くのであれば12月中旬までに終わらせておくのが良いかと思います)。

NISA口座やiDeCoでは使わないこと

NISA口座内の損失と利益の間でしか、損益通算できません。そもそもNISAは売却益に課税されませんし、関係がありません。これはiDeCoも同様です。

FXや仮想通貨などと損益通算はできない

FXや仮想通貨などとは損益通算ができませんので注意が必要です。

わたしが損出しにチャレンジした感想

損切りよりも心理的ハードルが低い

株取引初心者のわたしは「損切り=負け」イメージがあり、なかなか損切りすることができません。

しかし、税金を安くするために一時的に手放すだけだという風に捉えると、楽に考えられるようになりました。既に売却益があるという後ろ支えがあってのことではありますが、これは大きな気づきでした。

損切りで止まっている

わたしが損切りした銘柄はバリック・ゴールド(GOLD)という金鉱株です。

金と同じ動きをする銘柄なのですが、ワクチン承認で金利が上昇→金価格が下落すると考えたため売却しました。

その後、期待通り値を下げ続けてくれていますが(わたしの売却価格から3%減)、もっと下がるかも?と思い買い戻しができていません。

そもそも、わたしは個別株には手を出さずにインデックス投資をやっていますから、金鉱株のようなボラタリティの高い銘柄に手を出すのは投資方針的にあっていませんでした。

ということで、損出しではなく損切りで終わってしまうかもしれません(笑)

2020年12月18日追記

GOLDは損切りで損益通算することにしましたが、代わりに債券ETFのTLTで損出しできました!

テクニカル分析で翌日以降に株価が下がる確率が高そうと感じた日に売却して、翌日に買い戻しをしました。運良く(?)翌日に安値で買い戻しすることができました。

まとめ

損出しは理解してしまえば、そんなに難しいことではありません。

含み損を抱えている銘柄をガチホするだけよりも、投資のパフォーマンスを高めることができます。

ただし、値動きの激しい銘柄で損出しをやると、買い戻しをする場合に高値で買い戻すことになり、納税額以上に損をしてしまうこともあります。

これからダウンしそうというタイミングで売却し、安値で買い戻しをするというのが理想的な損出です。テクニカル分析や市況感などから判断すると大きな失敗をしづらいかもしれません。それでも市場に大きなインパクトを与えるようなニュース(ワクチン完成のニュースなど)が出ると、どうしようもありませんが。。。

ろじゃじろう
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