VIG(連続増配株式)とSPY(S&P500)を比較、意外な結果とは!?

増配株式VIGとSPYを比較した意外な結果!?米国株の比較検証

これもちゃんと検証しなくては!と思っていたけど、先延ばししていた比較です(汗)

今回取り上げるETFは米国連続増配株式のVIGです。

この記事ではVIGがどんなETFなのか、そしてそのパフォーマンスはいかほどなのか?を解説します。私個人としてもS&P500連動のVOOをポートフォリオに組み込んでおり、VIGに乗り換えたほうがよいのか?と、ぼんやりと考えていました。

米国株はS&P500指数に連動する投資信託やETFのパフォーマンスを超えることができる投資家はほとんどいないと言われる中、果たして米国増配株式のVIGはS&P500を上回るパフォーマンスを上げることができるのか?

収益性はもちろん、シャープ・レシオ(リターンを得るために取っているリスク)も含めて、見ていきます。

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VIG(米国増配株式)とは?

バンガード公式サイトによると以下のように説明されています。

10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株で構成される、NASDAQ US ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスに連動したパフォーマンスを目指します。

ちなみにNASDAQとありますが、NASDAQに上場していない米国株も対象のようです。

そしてVIGは連続増配株式ではありますが、高配当株ではありません(ここ重要)。

スタート時に1万ドルを投資した場合の過去13年の配当金の比較ですが、SPYとあまり変わらないことがわかります(高配当ETFのVYMと比較すると低い)。

GoogleでVIGを検索した際に表示される配当利回りは1.65%と普通レベルです。よって、VIGでは高配当株投資をしようとしている投資家の目的を果たすことはできません(個人的には高配当株投資よりも、成長株への投資の方がよいと考えていますが・・・)。

組入銘柄比較

組入銘柄の違いについても見ておきましょう。

順位VIGSPY
1マイクロソフトアップル
2ウォルマートマイクロソフト
3P&Gアマゾン
4J&Jフェイスブック
5Visaアルファベット
6ホームデポアルファベット
7ユナイテッド・ヘルスバークシャー・ハサウェイ
8ディズニーJ&J
9コムキャストVisa
10ペプシコP&G
総数212銘柄506銘柄

高配当株とは異なり、VIGに名前を連ねている企業は財務も健全な有名な会社ばかりです。ちなみにSPYの構成比率1位のアップルは9年増配しており、あと1年でVIGにも組み込まれる見込みです。

各銘柄の構成比率などの数値が気になる方は、ETFシンボルのリンクからブルームバーグのページで確認してください。

構成セクター比較

各ETFの構成セクターは以下のとおり(VIG:2020年8月31日、SPY:2020年9月17日)。

セクターVIGSPY
消費サービス(生活必需品)23.2%7.02%
資本財17.3%8.52%
ヘルスケア15.2%14.21%
テクノロジー(情報技術)12.8%27.53%
消費財12.0%11.28%
金融11.6%9.91%
公益4.5%2.95%
素材3.4%2.75%
通信0%10.82%
不動産0%2.72%
エネルギー0%2.30%

グラフにするとこんな感じです。見やすくなりましたね。

VIGは消費サービス(生活必需品)と資本財の比率が高いです。

逆にテクノロジー(情報技術)の比率の低くなっています。また、通信、不動産、エネルギーなどの成長率の低いセクターは構成銘柄に入っていません。

VIG(米国増配株式)とSPY(S&P500)のパフォーマンス比較

検証方法と条件

今回も使うツールはPORTFOLIO VISUALIZER(無料)です。こんなに宣伝しているのでお金欲しいくらいです(笑)

本記事を読んだあとに自身でも使ってみたい人は、以下の記事も参考にしてください。

VIGとSPYの2種を比較記事にしようとおもいましたが、高配当株だと勘違いして、本記事を読んでいただいている方もいるかもしれませんので、米国高配当株式ETF(VYM)も一緒に検証していきます。

検証条件:2007年1月〜2020年8月、分配金再投資

検証結果

見やすいようにパフォーマンスを表でまとめてみました(緑字は最も良い、赤字は最も悪い)

VIGSPYVYM
年平均成長率8.93% 9.00% 6.83% 
ベストイヤー29.62%32.31%30.08%
ワーストイヤー-26.69%-36.81%-31.91%
最大下落率-41.11% -50.80% -51.79% 
シャープ・レシオ0.640.580.46

この集計期間においてはVIGもSPYも大きな差はありませんが、年平均成長率はわずかながらSPYに軍配が上がりました。ただ、最大下落率やシャープ・レシオを考えるとVIGに投資したほうがよいという結果になりました。

テクノロジー(情報技術)セクターの比率が低いのに、このパフォーマンスは意外でした。

ついでに比較対象に入れたVYMが2018年頃までは同じようなパフォーマンスだったことは意外でした。しかし、2018年以降は2つのETFに大きく差をつけられ、更にコロナショックの戻りが弱いことで出遅れています。金融・エネルギーセクターの比率がSPYなどと比べると高いのに加え、GAFAMなどのハイテク比率が低いことが起因しています。

年別リターン

2008年のリーマン・ショック、2018年12月の下落幅は一番低く抑えられており、下落耐性は強いETFを言うことができそうです。ただし、上昇局面においてはSPYと比べると少しだけ見劣りするようです。

現在からさかのぼったパフォーマンス

コロナショック後のパフォーマンスの差が如実に出る感じです。リーマンショック以前まで戻るとVIGとSPYのパフォーマンスはほぼ同等になります。

まとめ

VIGとSPYについて比較してきましたがいかがでしたでしょうか?

VIGとSPYは相関率も非常に高く、トータルリターンはほとんど変わらないという結果になりました。そして、下落率などを考えるとVIGも十分におすすめできる銘柄であることがわかりました。少しでも守備力高めで行きたい!という人にはVIGの方がおすすめかなと。

本文中にも記載しましたが、今後VIGにはアップルが組み込まれることが見込まれており、成長率についてもSPYと差が縮まるかもしれません。

みなさんのポートフォリオを考える際の一助になれば幸いです。

以下の比較記事もよければ読んでください。

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米国株の比較検証
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