VHTまたはXLVというETFで米国ヘルスケアセクターに投資することができます。
VHTはバンガード社、XLVはステート・ストリート社が取り扱うETFです
この2社が運用する米国ヘルスケアセクターETFは、構成銘柄やコストなど異なります。これらの違いがパフォーマンスに影響を与えることがあるため、ETFの選定はしっかりとおこないましょう。
ちなみにわたしは米国ETFの20%を米国ヘルスケアセクターETFに投資しています。これは過去の記事(ロジャーズ次郎の秘密のポートフォリオ5種)でも紹介しています。
それにも関わらず、VHT・XLVのどちらがよいかを比較をしていませんでした(汗)
わたしの結論はVHTに投資し続けるということで変わりませんでした
さっそく、その理由について解説していきます。
米国ヘルスケアセクターETF(VHT・XLV)の概要
米国ヘルスケアセクターとは?
米国ヘルスケアセクターとは、米国企業の中で、医薬品、ヘルスケア機器、バイオテクノロジー、管理健康医療などの企業を分類したグループのことです。
ヘルスケアと言っても業種は多岐に渡りますね
VHT・XLVの概要をチェックする
2020年11月23日調査時点のものになります。
検証項目 | VHT | XLV |
---|---|---|
運用会社 | バンガード | ステート・ストリート |
設定日 | 2004年01月26日 | 1998年12月16日 |
組入銘柄数 | 425 | 63 |
純資産総額 | 127.4 億ドル | 240.5 億ドル |
経費率 | 0.10% | 0.12% |
直近配当利回り | 1.19% | 1.54% |
どちらの純資産総額も1兆円を超える非常に大きな規模のETFです。
楽天証券で投資信託ランキング1位のeMAXISSlim米国株式(S&P500)が2000億円なので、その規模の大きさがおわかりいただけるかと思います
ちなみにバンガード社のETFは経費率が低いことが有名ですが、ステート・ストリート社も対抗して経費率を下げており、大きな差がありませんでした。
直近配当利回りは1%ちょいと普通レベルです。
ベンチマークする指数の違い
特徴 | VHT | XLV |
---|---|---|
ベンチマーク | MSCI USインベスタブル・マーケット・ヘルスケア25/50インデックス | ヘルスケア・セレクト・セクター指数 |
組入銘柄数 | 425 | 63 |
企業規模 | 大型株、中型株、小型株 | 大型株(S&P500) |
ここでは組入銘柄数と企業規模の違いを知っていただければ大丈夫です!
全米株式(VTI)とS&P500(VOO)のような関係性です
組入銘柄の重複率
時価総額ベースでの組入銘柄の重複率は80%とほとんど同じです。
業種比率の違い
ヘルスケアセクターと言っても多数の業種が含まれています。
VHT業種 | VHT | XLV | XLV業種 |
---|---|---|---|
医薬品 | 25.4% | 28.6% | 医薬品 |
ヘルスケア機器 | 24.3% | 28.2% | ヘルスケア機器・用品 |
ヘルスケア用品 | 2.5% | ||
バイオテクノロジー | 18.5% | 14.0% | バイオテクノロジー |
管理健康医療 | 10.0% | 19.9% | ヘルスケア・プロバイダー ヘルスケア・サービス |
ヘルスケアサービス | 4.8% | ||
ヘルスケア・ディストリビュータ | 1.4% | ||
ヘルスケア施設 | 1.4% | ||
ライフサイエンス・ツール/サービス | 9.5% | 8.7% | ライフサイエンス・ツール/サービス |
ヘルスケア・テクノロジー | 2.2% | 0.5% | ヘルスケア・テクノロジー |
多少の違いはありますが、業種比率に大きな違いはありません。
構成銘柄の違い
VHTは2020年10月31日、XLVは2020年11月19日時点のデータです。
rankが2つありますが、左はVHT、右はXLVを指しています。
rank | 保有銘柄 | シンボル | VHT | XLV | rank |
---|---|---|---|---|---|
1 | Johnson & Johnson | JNJ | 7.79% | 9.47% | 1 |
2 | UnitedHealth Group Inc. | UNH | 6.24% | 7.83% | 2 |
3 | Pfizer Inc. | PFE | 4.25% | 4.92% | 4 |
4 | Merck & Co. Inc. | MRK | 4.09% | 4.97% | 3 |
5 | Thermo Fisher Scientific Inc. | TMO | 4.03% | 4.38% | 6 |
6 | Abbott Laboratories | ABT | 4.01% | 4.80% | 5 |
7 | Danaher Corp. | DHR | 3.16% | 3.49% | 9 |
8 | AbbVie Inc. | ABBV | 3.13% | 4.30% | 7 |
9 | Medtronic plc | MDT | 2.91% | 3.65% | 8 |
10 | Bristol-Myers Squibb Co. | BMY | 2.85% | 3.42% | 10 |
11 | Amgen Inc. | AMGN | 2.75% | 3.22% | 11 |
12 | Eli Lilly & Co. | LLY | 2.42% | 2.78% | 12 |
13 | Intuitive Surgical Inc. | ISRG | 1.68% | 2.10% | 14 |
14 | Zoetis Inc. | ZTS | 1.62% | 1.93% | 15 |
15 | CVS Health Corp. | CVS | 1.58% | 2.11% | 13 |
16 | Anthem Inc. | ANTM | 1.48% | 1.92% | 16 |
17 | Gilead Sciences Inc. | GILD | 1.48% | 1.86% | 18 |
18 | Stryker Corp. | SYK | 1.47% | 1.87% | 17 |
19 | Becton Dickinson and Co. | BDX | 1.45% | 1.65% | 20 |
20 | Cigna Corp. | CI | 1.33% | 1.84% | 19 |
TOP20 | – | – | 59.7% | 72.5% | TOP20 |
TOP30 | – | – | 69.5% | 83.8% | TOP30 |
トップ20の順位の差はありつつも構成銘柄は同じでした。構成銘柄数がXLVのほうが少ないこともあり、TOP20に占める比率は7割を超えています。逆にVHTも銘柄数が400を超えているにもかかわらず、上位組込銘柄の比率が高くなっていることがわかります。
現在の株価
VHTとXLVの現在の株価とチャートです。
米国ヘルスケアセクターETF(VHT・XLV)のパフォーマンス
結局はパフォーマンスが全てということでバックテストをしてみました(過去と未来の結果が同じ保証はないため、バックテストはあくまで参考までに)。
検証ツール
このブログではおなじみのポートフォリオビジュアライザーを用いて、パフォーマンスの比較をします。無料ツールとは思えない機能なので、知らない方は利用してみてください。
検証条件
検証期間:2004年2月〜2020年10月
配当金:再投資
検証結果
過去16年半の結果を見ると、どちらの銘柄もS&P500を上回るパフォーマンスでしたが、VHTに軍配が上がりました。
ちなみに年単位で比較するとVHTのほうがパフォーマンスのよい年の数が多いですが、大きなな差は見られませんでした。
まとめ
VHTのほうがパフォーマンスが高かったのでホッとしています(笑)
ちなみにパフォーマンス比較には入れませんでしたが、配当利回りはXLVのほうが高かったです。やはり大型株が多く、業績の安定している会社の比率が高いことが影響しています。
資産を増やしていく段階においては配当金をもらうよりも、株価の値上がりを狙ったほうがよいと考えていますので、その点でもVHTを選択してよかったと感じています。
ちなみにインカムゲインよりもキャピタルゲインの理由は以下の記事を読んでいただけるとご理解いただけると思います。
米国ヘルスケアセクターへの投資は楽天証券、SBI証券、マネックス証券などで可能です。
米国株11種のセクターETFのまとめ記事もどうぞ!
みなさんの投資の一助になれば幸いです
おまけ
ちなみにブラックロック社が運用するグローバル・ヘルスケア(IXJ)というETFもあります。
投資対象の国は米国、スイス、日本、イギリス、デンマーク、ドイツ、オーストラリア、フランスなどに分散されていますが、経費率が0.46%と高く、更にパフォーマンスも今回紹介した2種、そしてS&P500よりも劣っています。
未来はどうなるかはわかりませんが、全く投資したいと思えるETFではありませんでした。
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