先週末に書いた記事の素材セクター中に「銅は景気の先行指標という話もあります」と書きました。
都市伝説的に語り継がれているものや過去は当てはまっていたけど、近年では当てはまりが悪い、なんてこともあります。私自身は気になると自分自身で検証しないと気が済まない性格なので、さっそく検証してみました。
結論としては銅は株価の先行指標とは言えませんでした。それでは検証結果をどうぞ。
なぜ銅は株価の先行指標と言われているのか?
銅価格は経済や株価の先行指標としてDr.Copper(ドクターカッパー)と呼ばれています。
経済が回復していく局面では人々の消費が増えていきます。そうすると電化製品、自動車、住宅、工業製品などの売れ行きが高まりますが、製造する際に銅はなくてはならない存在です。メーカーは需要に応えるために増産しますが、そのために銅などの素材を事前に仕入れる必要があります。
そうすると銅の需要が高まり、銅価格が上昇していきます。
このようにモノが製造・販売される前に銅の需要が高まることから、銅価格が株価の先行指標と言われているわけです。
銅価格がS&P500の先行指標になっているのかを検証
さっそくですが過去60年で銅価格とS&P500の価格をグラフに並べてみました。
グラフを見る限りでは、先行指標と言えるようなチャートになっていませんね。
銅価格が米国建設・製造セクターのETFの先行指標になっているのかを検証
せめて銅を直接的に利用する製造業や建設業と連動していて欲しいと思い、国建設・製造セクターのETFのIYJのデータを並べてみました。検証期間は2000年8月〜2020年10月です。
残念ながら先行指標と言い切れるほどの結果ではないですね。
先行指標になっている局面、全く逆相関している局面などなどあり、正直先行指標として利用すると怪我しますね。
まとめ
検証するのにめっちゃ時間がかかってしまったのですが、結局大した収穫を得られないという結果に(笑)
でも冷静に考えれば当たり前だなって思いました。仮に株価の先行指標なんてものがあれば、それを利用してトレードすれば勝てるわけですから、そんなに甘いわけ無いですよね。大昔ならわかりませんが、現在は公開されているあらゆる情報は株価に織り込まれていくわけですし。
ということで、世の中で言われていることを盲信することなく、しっかりと自身の頭で考えたり、検証することで情報に振り回されないようにしましょう!
みなさんの投資の一助になれば幸いです。
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