リバランスとは?積立中の資産配分を戻す方法【2026年版】

リバランスルール決めていますか? 資産形成の考え方

先に結論

リバランスは、上がる資産を予想して乗り換えることではありません。値動きでずれた配分を、事前に決めた目標へ戻す作業です。会社員が積み立て中なら、まず新しい入金を比率の低い資産へ回し、それでも戻らないときだけ売却を検討します。

2026年8月15日更新。具体的な計算例、カレンダー方式と乖離幅方式、口座ごとの順序、実際の管理方法を追加しました。税金や手数料は口座・商品・居住地で異なるため実行前に確認してください。

スポンサーリンク

リバランスとは

目標が「株式60%、債券20%、現金15%、金5%」でも、株式が上昇すると実際の比率は変わります。そのままでは当初より株式下落の影響が大きくなります。リバランスは、自分が取ると決めたリスクへ戻すために行います。

似た言葉のリアロケーションは、生活や目的の変化に合わせて目標比率自体を変更することです。相場が上がったから株式目標を増やすのはリバランスではありません。

必要な売買額の計算例

運用資産1,000万円で、目標と実際が次のようにずれたとします。

資産 目標 現在 目標金額 差額
株式 60% 70%=700万円 600万円 −100万円
債券 20% 15%=150万円 200万円 +50万円
現金 15% 10%=100万円 150万円 +50万円
5% 5%=50万円 50万円 0円

売買で戻すなら株式を100万円減らし、債券と現金を50万円ずつ増やします。一方、新しい入金で調整すると資産の総額も増えるため、目標金額を計算し直す必要があります。たとえば値動きがなく、債券と現金へ合計100万円を追加しただけなら、株式比率は700万円÷1,100万円=約63.6%で、まだ目標の60%には届きません。売却せずに近づける選択肢ですが、入金後の総額と全資産の配分を確認します。

リバランスの4つの方法

1.新規入金を不足資産へ回す

積み立て期間の第一候補です。比率が高い資産の買付を止め、低い資産へ入金します。売却益への課税や売買コストを発生させにくい方法です。

2.配当・分配金・利息を不足資産へ回す

受け取った現金を自動的に同じ商品へ再投資せず、目標比率を下回る資産の購入に使います。

3.比率の高い資産を売って低い資産を買う

資産額が大きく、新規入金だけでは戻せない場合に使います。課税口座では譲渡益、外国商品では為替と手数料を確認します。

4.取り崩し時に比率の高い資産から売る

退職後などの出金期は、比率の高い資産から生活費を取り崩すことで現金化とリバランスを同時に行えます。

いつ確認するか:2つの方式

方式 ルール例 長所 注意点
カレンダー方式 毎年1回、誕生月や年末 簡単で続けやすい 大きな乖離を次の確認まで放置し得る
乖離幅方式 目標60%が55%未満・65%超 必要なときだけ動ける 頻繁に残高を見ると感情が入りやすい
併用 年1回確認し、一定幅を超えたら実行 確認と売買を分けられる ルールを事前に記録する必要

J-FLECは、少なくとも年1回程度の見直し、定期的な方法と一定の乖離幅を使う方法、新しい資金で配分を調整する方法を紹介しています。出典:J-FLEC「リバランス」

私の実践:口座をまたいで合算する

私は2020年6月から複数口座を連携し、個別口座ではなく金融資産全体で目標比率を管理しています。同じ株式でもNISA、課税口座、年金口座に分かれているため、一つの証券口座だけを見ると実際の偏りを判断できないからです。

毎月は新規入金の配分を調整し、大きな売却は急ぎません。保有中でも今後増やさないと決めた商品は目標0%にし、新規買付を止めます。この方法なら「今すぐ全部売る」「持っているから買い続ける」の二択になりません。

口座ごとの実行順序

  1. 全口座を合算する:NISA、課税口座、企業型DC・iDeCo、預金を可能な範囲で一覧化します。
  2. 新規入金で直す:給料、賞与、配当の行き先を変えます。
  3. 非課税口座内の配分変更を検討する:商品・制度上可能か、非課税枠の再利用条件を確認します。
  4. 課税口座の売却は最後にする:含み益、損益通算、手数料、為替を確認します。

NISAだから無条件で売買すべき、課税口座だから絶対に売らない、という意味ではありません。税制は変わるため、実行時点の金融機関・国税庁の案内を確認します。

入金だけで戻せるかの目安

現在の不足額を毎月の入金額で割っただけでは、目標配分へ戻る期間は決まりません。入金すると総額も目標金額も増え、相場も動くためです。無料シートで今回の入金後の差額を計算し、売却せずにどの程度近づけられるかを確認します。

入金で少しずつ調整する間も、当初想定したリスクを大きく超える配分であれば、一部売却を含めて検討します。必要な期間だけでなく、その間の値動きを許容できるかが判断の軸です。

リバランスで避けたいこと

  • ニュースを見るたびに目標配分を変える。
  • 小数点以下まで合わせるため売買を繰り返す。
  • 口座ごとに別々の目標を作り、全体の偏りを見ない。
  • 税金・手数料・為替コストを確認せず売却する。
  • 不足資産を買う代わりに、理解できない新商品を追加する。
  • 目標0%の商品を惰性で買い続ける。

実行用チェックリスト

  1. 資産全体と生活防衛資金の範囲を決める。
  2. 目標比率と理由を書き残す。
  3. 現在額÷合計額で実際の比率を出す。
  4. 目標額−現在額で過不足を計算する。
  5. まず新規入金で戻す期間を計算する。
  6. 売却が必要なら税・コスト・口座を確認する。
  7. 実行後は次の確認日まで日々調整しない。

よくある質問

毎月リバランスした方がよいですか

毎月残高を記録しても、毎月売買する必要はありません。頻繁な売買はコストと判断回数を増やします。年1回などの確認日と許容幅を先に決めます。

上がった資産を売るのがもったいなく感じます

リバランスは上昇を否定する行為ではなく、最初に決めたリスクへ戻す行為です。迷うなら新規入金での調整から始めます。

相場下落中に目標比率を変えてもよいですか

生活状況や使う時期が変わったなら見直します。怖くなったことだけが理由なら、下落前の配分が自分の許容度を超えていた可能性があります。次回は金額ベースで下落を想定します。

次に読む記事

まとめ

リバランスの目的はリターン最大化ではなく、自分が取ると決めたリスクへ戻すことです。全口座を合算し、新規入金、配当、取り崩し、最後に売却という順で検討します。確認は定期的に、実行は必要なときだけにします。

無料リバランス計算シート

現在の資産額、目標比率、今回追加するお金を入力して、入金後の目標額と不足額を確認できるExcel形式のシートです。登録や課金は不要で、マクロ・外部データ接続もありません。ご自身の端末で利用するため、入力した資産情報を当サイトへ送る必要はありません。

無料リバランス計算シートをダウンロード(.xlsx)

  1. ファイルを保存し、黄色の入力欄を自分の数字に置き換えます。例示の資産配分は推奨配分ではありません。
  2. 生活費や近い将来使うお金を投資資金と混ぜず、配分管理の対象を決めます。
  3. 現在額を円で入力し、目標比率の合計を100%にします。未使用の行には0を入力してください。
  4. 今回の追加投資額を入力し、入金後の総額に対する不足額を確認します。
  5. 配分案をそのまま注文せず、購入単位や口座、必要な現金、費用を確認します。

配分案は、不足している資産へ不足額の割合で追加資金を振り分ける一つの試算です。売却しないため目標比率に完全一致するとは限りません。たとえば現在100万円・追加10万円なら、目標額は100万円ではなく110万円を基準に計算します。売買を推奨するものではありません。

計算は小数を保持し、表示は円単位です。実際の購入単位に合わせて切り下げるなど調整し、余りは現金で残してください。税金・手数料・為替・注文可能額は自動計算しません。資産合計が0円の場合は対象外です。Excel以外のアプリでは表示や入力規則が異なる場合があるため、結果を確認して利用してください。

参考:日本証券業協会「リバランスのタイミング」では、新しい資金による配分調整も紹介されています。計算シート自体は当サイト作成であり、同協会の提供・監修ではありません。

コメント