米国株投資家が自身のポートフォリオを考える際に欠かせないツールがポートフォリオビジュアライザー (Portfolio Visualizer)ですが、この記事ではPORTFOLIO VISUALIZERの機能の中で一番使うBacktest Portfolio機能の使い方を解説していきます。
非常に使いやすいツールですが、英語表記で利用をためらっている人もいます。ちなみに私自身もわからない項目がいくつかあったものの感覚で使っていました(汗)
米国株ブログを運営しているのに理解していないのはマズイと思い、各項目の意味を調べました。せっかくなので情報をブログにまとめてみました。
「英語は無理!」って人でも、この記事を読めば大丈夫です!
Backtest Portfolioの使い方
本記事ではパソコン画面で説明していきますが、スマートフォンでもレイアウト以外は同じです。
トップページからBacktest Portfolioを選択する
PORTFOLIO VISUALIZERのトップページから赤枠で囲ったBacktest Portfolioの中にあるBacktest Portfolio(このリンクをクリックしてもらっても大丈夫です)を選択します。
Backtest Portfolioページの入力項目の説明
初期設定では10項目表示されており、選択肢によって項目が増減します。
項目 | 選択肢 | 説明 |
---|---|---|
Time Period | Year-to-Year | 選択した年のテストをする |
Month-to-Month | 選択した年月のテストをする ※選択時にFirst/Last Monthが表示される | |
Start Year | テスト開始年 | 1985-2020 |
End Year | テスト終了年 | 1985-2020 |
Include YTD | Yes/No | 結果に最新月を含める(機能していない?) |
Initial Amount | 開始時の投資額 | 開始時の投資額を設定(初期値は$10000) |
Cashflows | None | 出金、追加投資しない |
Contribute fixed amount | 年末に定額を追加投資する ※選択時にContribution Amount(追加投資額)が表示される | |
Withdraw fixed amount | 年末に定額を引き出す ※選択時にWithdrawal Amount(引き出し額)が表示される | |
Withdraw fixed percentage | 年末に固定割合を引き出す ※選択時にWithdrawal Percentageが表示される | |
Rebalancing | No rebalancing | 設定した各資産の割合から乖離してもリバランスしない |
Rebalance annually | 年に1度リバランスする | |
Rebalance semi-annually | 半年に1度リバランスする | |
Rebalance quarterly | 3ヶ月に1度リバランスする | |
Rebalance monthly | 毎月1度リバランスする | |
Rebalance bands | 5/25 Ruleに基づいてリバランスする ※選択時にAbsolute Deviation(初期設定5%)とRelative Deviation(初期値25%)が表示される 通常はAbsolute Deviationに設定した比率から5%(初期値)以上に乖離した場合(資産の比率10%時は5%以下、15%以上になった時)にリバランスをおこなうが、比率が低い資産については設定した資産の比率に対して25%(初期設定)をリバランスする(資産の比率10%時は7.5%以下、12.5%以上) | |
Display Income | Yes/No | 配当金・分配金の収益を表示(結果の最下部にグラフが表示) ※初期選択はNoで配当金・分配金を再投資する設定 |
Reinvest Dividends | Yes/No | (Display IncomeがYes時)配当金と分配金を再投資する |
Benchmark | None | ベンチマークを設定しない |
Specify Ticker… | 指定したティッカーシンボル(特定の銘柄)と比較する | |
Import Benchmark… | インポートしたベンチマークと比較する | |
Benchmark Portfolio | 見出し | |
Vanguard 500 Index Investor | バンガードS&P500インデックスと比較する | |
Vanguard Balanced Index Inv | バンガードバランスインデックスと比較する | |
Portfolio Names | Default/Custom | (Custom選択時)各ポートフォリオに名前をつける |
最後にシミュレーションするポートフォリオを指定します(最大3パターン)。
Analyze Portfolioをクリックするとシミュレーション結果が表示されます。
Backtest Portfolioページの結果画面の説明
Portfolio Allocations
自身で設定したポートフォリオ(最大3種類)が表示されます。
Portfolio Returns
ポートフォリオ毎のテスト結果が表示されます(この機能のメイン)。
テスト結果の各項目の説明をしていきます。
項目名 | 項目の日本訳 | 説明 |
---|---|---|
Initial Balance | 開始時の資産額 | |
Final Balance | 終了時の資産額 | |
CAGR | 年平均成長率 | 設定期間における年平均リターン |
TWRR | 時間加重収益率 | 時価に基づく運用収益に基づき、運用元本の流出入の影響を排除して求めた収益率 |
MWRR | 金額加重収益率 | 一定の投資期間を通じた投資額の現在価値の累計と(将来的な)収益額の現在価値の累計が等しくなる収益率 |
Stdev | 標準偏差 | リターンのバラつきを統計的に示した数値で価格変動リスクを表す(数値が大きいほど価格変動が大きく、数値が小さいほど、価格変動が小さい) |
Best Year | 一番良かった年 | 年間パフォーマンスが最も良かった時の上昇率 |
Worst Year | 一番悪かった年 | 年間パフォーマンスが最も悪かった時の下落率 |
Max. Drawdown | 最大下落率 | ポートフォリオが最も下落した% |
Sharpe Ratio | シャープ・レシオ | ポートフォリオの総リスクを示す指標で数値が大きな程安全である指標(ただし、リターンがマイナスの場合は除く)。リターンが同じであれば、この値が高いポートフォリオが優れている。 |
Sortino Ratio | ソルティノ・レシオ | フランク・ソルティノさん(Frank Sortino)が考えたシャープレシオをバージョンアップした指標。シャープレシオとの違いは下落時のリスクをもとに計算する点で、リターンが同じであれば、この値が高いポートフォリオが優れている。 |
US Mkt Correlation | 米国株市場との相関係数 | 1〜-1の値になる。1に近いほどアメリカの株式市場と似たような値動きになり、逆に-1に近づくにつれてアメリカ市場と逆の値動きをする。 |
相関係数の異なる資産や銘柄を入れて、リスク低減した安定性の高いポートフォリオを目指しましょう!
Portfolio Growth
ポートフォリオ毎にテスト開始時からの資産額の推移がグラフで表示されるため、ポートフォリオ毎の騰落率や下落したタイミングなどを視覚的に把握することができます。また、ベンチマークで設定したポートフォリオもグラフに表示されます。
ベンチマークは米国株の市場平均をあらわすVanguard 500 Index Investorがオススメ!
Annual Returns
Annual Returnsでは年ごとの騰落率を視覚的に把握することができます。
Portfolio Growthでは年ごとの結果が分かりづらいため、こちらも併用しています
Trailling Returns
過去3ヶ月、年初来、過去1年、過去3年、過去5年、全期間のリターンが表示されます。
Portfolio Growthのグラフ推移は開始時点からのパフォーマンスを表示されていますが、こちらは現在からの特定期間をさかのぼったパフォーマンスを確認することができます。
直近のパフォーマンスを重視する場合に役立ちます!
まとめ
PORTFOLIO VISUALIZERの機能であるBacktest Portfolioの使い方について解説してきましたが、慣れたら簡単に使うことができる便利なツールです。
より収益性が高く、リスクの低いポートフォリオを見つけることは、投資で負けない上で重要な作業です(リスクは無視して、リターンを最大化したいなど人によって価値観は様々ですが)。
その上で今回紹介したPORTFOLIO VISUALIZERのBacktest Portfolio機能は役立ちます。私は暇なときにいろんな組み合わせを試して遊んでいます。正直、著名な投資ブロガーとかがポートフォリオを紹介していたりするので、それを真似れば楽かもしれません。
しかし、自身の頭で考えて決めたい人には非常におすすめのツールです。無料でここまでの機能を提供してくれていることに驚き。
PORTFOLIO VISUALIZERの使い方を身につけることで、自身の収益率を高めていってください。
みなさんのポートフォリオを考える際の一助になれば幸いです。
分かりづらい点や間違いなどあればツイッター宛にご連絡ください
ポートフォリオに組み込もうとしている銘柄の最適な比率を自動で算出して欲しい場合はPortfolio Optimization編もご覧ください。
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