米国株の損出しとは?損益通算と確定申告の注意点【2026年版】

米国株の損出しと税負担を調整する考え方 資産形成の考え方

損出しとは、課税口座の含み損を売却して確定し、その年の上場株式等の利益や配当と相殺する方法です。税金そのものを消す魔法ではなく、損失を税務上反映し、課税時期を調整する行為です。

売買手数料、価格変動、買い戻し後の取得価額まで考えると、全員が行うべきものではありません。私は2020年に米国株で実際に試しましたが、現在は「相場を当てて安く買い戻すこと」より、税務と投資配分を分けて判断する方が大切だと考えています。

2026年8月更新
国税庁の現行情報に基づき、損益通算、3年間の繰越控除、NISAの扱いを更新しました。個別の申告判断は税務署・税理士・証券会社へ確認してください。

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損出しでできること

課税口座で上場株式等の譲渡損失が生じた場合、確定申告により、一定の上場株式等の譲渡益や申告分離課税を選んだ配当等と損益通算できます。相殺しきれない損失は、要件を満たして確定申告を続けることで翌年以後3年間の繰越控除が可能です。

制度の対象と申告書類は、国税庁の「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」で確認できます。

簡単な例

課税口座で50万円の利益が確定しており、別の上場株式に30万円の含み損があるとします。その銘柄を売却して30万円の損失を確定すると、対象取引の範囲では課税対象となる利益を20万円まで圧縮できる可能性があります。

ただし、30万円の経済的損失が消えるわけではありません。含み損が確定損に変わっただけです。買い戻す場合は価格が上昇する可能性があり、手数料や為替コストも発生します。

特定口座でも確定申告が必要になる場合がある

源泉徴収ありの特定口座では、同じ金融機関・同じ口座内の対象となる利益と損失は自動的に計算されます。一方、複数の証券会社をまたいで通算する場合や、損失を翌年以後へ繰り越す場合は、原則として確定申告が必要です。

申告によって所得情報が変わり、国民健康保険料などへ影響することがあります。損益通算による還付額だけでなく、申告全体の影響を確認してください。

NISAの損失は通算できない

NISA口座の売却益・配当は非課税ですが、NISA口座で生じた譲渡損失は税務上なかったものとして扱われます。特定口座や一般口座の利益との損益通算も、翌年以後への繰越控除もできません。

そのため、損益通算を目的にNISA口座の含み損を売却することはできません。投資方針や資産配分を変える必要があるかで判断します。

年末に確認すること

  • 年間取引報告書や証券会社画面で確定損益を確認する
  • 含み損ではなく、売却済みの損益と分ける
  • 配当を申告する場合の課税方式を確認する
  • 証券会社ごとの年内受渡し期限を確認する
  • 確定申告と繰越控除に必要な書類を確認する

年末最終日に売れば必ずその年の取引になるとは限りません。国内株式、米国株、投資信託で受渡し日が異なるため、証券会社が案内する年内取引期限を確認します。

売却後に買い戻す場合の注意

同じ銘柄を同日に売買すると、証券会社の取得価額計算により、想定した損失額にならない場合があります。別口座での売買にも申告上の確認事項があります。具体的な順序は証券会社へ確認し、税金だけを理由に慌てて売買しない方が安全です。

また、売却から買い戻しまでに価格が上がれば、税負担の軽減額より高い価格で買い戻す可能性があります。市場の短期方向を当てることを、損出しの前提にしないことが重要です。

2020年に損出しをした実体験

私は2020年、含み損のあった債券ETFを売却し、翌日に買い戻しました。結果的に安く買い戻せましたが、これは再現できる成果ではありません。別の金鉱株は売却後に買い戻さず、損出しではなく投資方針を見直すための損切りになりました。

この経験から、税務上の判断と「その銘柄を今後も持ちたいか」は分けるべきだと考えています。保有を続ける根拠がなくなった銘柄なら、買い戻すこと自体が目的になってはいけません。

損出しをしない方がよいケース

  • 確定利益がなく、繰越控除の申告も行わない
  • NISA口座の損失しかない
  • 手数料やスプレッドが大きい
  • 買い戻し時の価格変動に耐えられない
  • 税務処理を理解しないまま年末に急いでいる

まとめ

損出しは、課税口座の損失を対象となる利益と相殺するための方法です。損失自体を取り戻すものではなく、NISAの損失には使えません。

年間損益、口座区分、申告の必要性、取引コスト、今後も保有する理由を確認してから判断する。不明点がある場合は、節税額を推測して売買する前に専門家へ確認してください。

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